あさぐる:八戸の朝市と朝風呂ツアーを体験 特産品味わい、住民と触れ合い /青森

11月27日12時1分配信 毎日新聞

 ◇今あるものを活用、大きな観光資源に
 「いいふろ(1126)」の日にちなみ、八戸観光コンベンション協会と八戸広域観光推進協議会は26日、今月11日に始めた八戸市の朝市と朝風呂をめぐるツアー「あさぐる」の無料体験会を開き、記者も参加した。八戸の日常を切り取っただけの何気ないツアーだが、地元の新鮮な食をふんだんに味わい、住民の飾らない人柄に触れることができた。地域で当たり前に営まれる生活が、観光客にとっては大きな魅力になると実感した。【喜浦遊】
 ◇魅力をアピールしよう
 参加したのは、同市鮫町の陸奥湊駅前朝市と銭湯「双葉湯」を回るコース。午前5時50分、市内のホテルに参加者4人が集合。タクシーに乗り、まずは朝市へ。陸奥湊駅前の市営魚菜小売市場は、約960平方メートルのフロアに魚屋や総菜屋など約50店がひしめき、テーブルもあってここで朝食を取った。
 一杯100円のご飯とみそ汁を買って市場を物色。同行した市観光課職員らから「食材を分け合った方がいい」との助言があり、4人の食卓にはその日揚がったヒラメとマグロの刺し身、筋子、サラダや煮物などが並んだ。食材はいずれも安く、ヒラメの刺し身は十数切れ入って200円。食事中、別のテーブルからタラコと鶏の空揚げの差し入れも入り、とても食べきれず、残りはパックしてもらい、持ち帰った。
 次は朝風呂。時間に合わせて待っていたタクシーで双葉湯へ移動した。漁師町の名残で朝風呂の風習が残るといわれる八戸市。脱衣所には風呂敷に包まれた常連客の入浴道具がずらりと並んでいた。
 「他に誰もいなくてさみしかったすけ、早く上がってきた」と体をふきながらおばあちゃんが話しかけてきた。湯はちょっと熱めで早々に切り上げたが、地域に住む人の暮らしに少しでも触れられたことが楽しかった。旅先で心に残るのは、こういう地元の人とのちょっとした触れ合いだと思った。
 午前8時過ぎ、タクシーでホテルに戻って解散した。八戸市で生まれ育った参加者の坂本長松さん(74)は「朝市も朝風呂も初めてでしたが、みんな親切で最高でした」と話していた。このツアーは本来、旅行者を対象にしたものだが、観光推進協議会の木村聡・観光コーディネーターは「地元の人がいいと思わないものを外の人に勧められない。地元の人が朝市や朝風呂の魅力を再認識してアピールしてほしい」と話していた。
 「あさぐる」は市内のホテル宿泊者が対象で、▽朝市二つを回る(600円)▽朝市と銭湯を回る(1000円)▽銭湯2件をはしごする(1400円)など――4コース。問い合わせは八戸観光コンベンション協会(0178・41・1661)か八戸広域観光推進協議会(0178・27・8260)へ。

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