【元若ノ鵬会見詳報】(1)八百長話で250万円もらった

11月28日19時20分配信 産経新聞

 講談社が発行する「週刊現代」に告発した八百長報道はウソだったとする陳述書を東京地裁に提出した元力士の若ノ鵬が28日、都内で記者会見した。取材を仲介した男性から「相撲協会に戻れる。ヒーローになる」とだまされて偽証したと述べた。若ノ鵬は日本相撲協会や相撲ファンに対し謝罪を繰り返す一方、偽証の謝礼として250万円を受け取ったことも明らかにした。会見の概要は以下の通り。

  「皆様こんにちは。大変なことを起こしてしまいました。すいませんでした。本当に駄目なことを言っちゃった。すいませんでした。すいませんでした。週刊現代もすいませんでした。変な人(八百長記事を持ちかけてきた仲介者)と付き合って、だまされて、変なことを言っちゃった。週刊現代は悪くなかった」

 「本当に相撲に戻りたかった。大好きだった。今でも大好きです。横綱、夢だった。そのために日本に来ました。私に電話があった(仲介者の)名前は言えないですけど、その人は、私に(八百長の話を)言ったら、『簡単に相撲に戻れる。ヒーローになる』とか言い、私もそのこと(八百長の話)を言っちゃった。本当にすいませんでした。本当につらいことを言っちゃった」

 「できるのなら、自分の気持ちが分からないんですけど、許されるか。戻る、戻らないは分からないですけど、そのままロシアに帰ることはできなかった。日本の皆さんが自分の気持ちを分かりたかったら、しょうがなかった。本当に相撲にどうしても戻りたかった。そういうことです。すいませんでした」

 --仲介者とどういう関係なのか。ウソだとしたら、ストーリーは仲介者が作ったのか

 「そうですね。名前は教えない。自分の家族がロシアにもある。『1週間、八百長のことを言ったら、相撲に簡単に戻れる』(と言われて)信じた」

 「(仲介者の)Xさんは、『あなたを警察が捕まえた。なんでか、知っている?』と私に言った。『(成人年齢に達していない)19歳だったら、相撲協会の問題になる。20になると若ノ鵬の問題になる』と言った」

 「Xさんは言った。『私知っている。あなた相撲大好きです。まだ10年できる。私もあなたの相撲好きです。助けたい』と言った。私もそのとき、『相撲協会は私を守らなかった』と信じて、頭に来て、Xさんと話して記者会見した」

 「そのストーリーを考えて、八百長も自分でやったんじゃないけど、無理矢理やらされたと言えば『若ノ鵬かわいそう。やっぱり八百長はあるとか、協会は汚い」とか(の流れになると信じた)。

 「(若ノ鵬はX氏と会話した当初に)『協会を汚いと言ったら、どうして戻れる』と言った。彼は『親方衆がいるし、あなたを応援する人もいる』と言った。自分も『相撲に戻るには裁判だけじゃないですか』と言った。(するとX氏は)『違います。裁判では戻らない。2、3年かかれば、生活費もなくなる』と言った。私の考えがグチャグチャになっちゃった」

 「X氏は『(八百長話をする決意を)急いで、急いで』『(相撲協会は)外国の人嫌い』とか言い、その話を信じた。だめだった」

 --整理すると、ストーリーはX氏が全部つくったということか

 「記者会見をやったときに、紙をつくり、私が読んで、『その後に裁判にでる』と言った。(その後に)Xさんは『もう出なくてもいいんですよ。まずは、そのことを言って、どんどん、相撲協会に変な親方がいなくなればすぐ戻れる』と言った。『お金のためかな』と思った」

 --取材に当たって、週刊現代からお金をもらったことはあるか

 「もらっていない。Xさんが(若ノ鵬に)お金を渡したけど、週刊現代からではない」

 --Xさんからは、お金をもらったのか

 「そうです。どこ(X氏の出資元)からかは分からない」

 --週刊現代のインタビューの後か

 「そうですね」

 --いくらぐらいか

 「250万円」

 --現金そのものか

 「最初は『生活費に困っている。風呂も入れない』と言って、100万円ぐらい。その後はロシアに送った」

 --記事の内容はウソだというが、八百長はあるのか、ないのか

 「ないです。週刊現代は悪くなかった。(虚偽証言が)私の口から出た。週刊現代はそのことを書いた。週刊現代に直接謝りたい。つらいですけど」

 --(週刊現代の記事では)あれだけ詳しく名前を挙げたが、X氏からのお金ほしさか

 「琴欧州、千代大海、魁皇とか(の実名をあげた)。Xさんは、『(実名告発でも)力士たちは問題にならない。親方に問題がある。大丈夫ですよ』と言っていた。親方衆を叩いて…。(Xさんは)『みんな自分のことしか考えられないんですよ。あなたを誰も守らなかった。(サッカーの)マラドーナも、大麻で休場になった後に戻った』と言った」

 --(八百長記事はウソだとする陳述書を若ノ鵬が提出したことについて)「週刊現代」は「若ノ鵬は陳述書のことは知らない」と言っているが

 「週刊現代は怒るかもしれないが、ウソを雑誌が出したけど、雑誌は悪くなかった。みな、すごくよい人。まじめ。社長もまじめ。現代は本当のことしか書かないが、失敗だった」

=(2)に続く

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