国際チャーター便1年半利用なし 南紀白浜空港(和歌山)

12月18日17時6分配信 紀伊民報

 南紀白浜空港(白浜町)への国際チャーター便が1年半にわたり途絶えている。県は本年度、運航会社への助成金制度を設けたが、18日現在、利用はゼロ。県観光交流課は「需要はあるが、時期や規模などの条件が合わず、実現に至っていない。粘り強く誘致に取り組みたい」と話している。
 県は海外から紀南に直接的に誘客を図る手段として、国際チャーター便の乗り入れを重要課題と認識してきた。地域の観光事業者と協力し、海外の航空会社に働き掛けるなど誘致活動を展開している。
 これまで韓国や中国、台湾からの利用があり、2006年には9便の運航があった。ところが、06年6月27日を最後に乗り入れはなく、昨年度は予定していた香港からのチャーター便が中止になった。
 県は本年度から、国際チャーター便運航会社に対し、外国人乗客が御坊市以南で1泊以上宿泊することを条件に、往復で最大50万円を助成する支援制度を設置。乗り入れ時に必要な入国審査や税関通関業務の支援も進めている。
 現在、大阪の旅行代理店が元旦に白浜空港を出発する台北旅行を企画しており、正式に国土交通省に空港利用の申請があれば、1年半ぶりという。
 このほどあった県議会12月定例会一般質問で、前芝雅嗣議員(自民、東牟婁郡)は「石川や宮崎、福岡には多くのチャーター便が飛んでいる。県の取り組みが足りないのでは」と質問。永井慶一商工観光労働部長は「世界経済の後退や急激な円高の中ではあるが、海外の旅行会社などに観光の魅力やチャーター便の支援制度をアピールしたい」と答弁した。
 チャーター便が途絶えている理由について、比較的近くに関西国際空港があることや白浜空港の規模の問題が指摘されている。県観光交流課は「さまざまな要因が絡み、『これを解決すれば』とはいえない。アジアを中心に、紀南は観光地としての人気があるので何とか実現に結びつけたい」と話している。
 石川県の能登空港では07年度に55便、08年度も10日現在で46便が運航。石川県によると、地元の大手旅館「加賀屋」を中心に、民間の誘致団体が積極的な活動をしているためで、ほとんどが台湾からの利用。温泉や雪が人気を集め、経済効果も大きいという。石川県も団体への助成や出入国の利便性を図るなどの支援をしている。

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