1月9日7時3分配信 スポーツニッポン
大相撲の横綱・朝青龍(28=高砂部屋)が7日の稽古総見で横審委員から“休場勧告”を受けたことに対し、師匠の高砂親方(元大関・朝潮)が大反論を展開し、愛弟子を擁護した。朝青龍は東京・江東区の伊勢ケ浜部屋に出向いて、新大関・日馬富士との申し合いで8勝3敗。初場所(11日初日、両国国技館)出場に向け、必死の調整を続けている。
出場か、それとも休場か。悩める男に救いの手をさしのべたのは師匠だった。7日の稽古総見で白鵬に6連敗し、横審委員から“休場勧告”を突きつけられた朝青龍に対し、師匠・高砂親方はKY発言で後方支援。この日の稽古後「稽古でいくら負けても関係ない。(進退は)横審や理事長が決めることではない」と反論した。
一昨年のサッカー騒動に際しては「(お肌が)ツルツル」とお気楽口調でモンゴルの温泉に入った感想を述べ、2度にわたる賃金カットの処分を受けた際には「減俸のダブルアーチ。これでも理事長より(給料が)上になるな」などと発言し、物議を醸した高砂親方。その後は発言に慎重になってきたが、愛弟子が最大の危機に直面したことで、ついに「高砂節」の“禁”を破った。
だが、不謹慎な発言はこれだけでは終わらなかった。午後には部屋で朝青龍が初場所に出場するか否かの決断時期について問う報道陣に対し「あしたもきょうもない。バカヤロー」と怒鳴り、夜には「出るでいいよ。報告も何もね~」と投げやりな発言まで飛び出した。これまで何度も横審などから指導力不足を指摘されてきただけに、無責任な発言は再びやり玉に上げられる可能性も出てきた。
総見で不安を露呈した朝青龍はこの日、伊勢ケ浜部屋に出向き、新大関・日馬富士と三番稽古を行った。がむしゃらに攻める姿が戻り、総見で2勝2敗だった相手に8勝3敗と勝ち越し。「やらないとね。稽古だもん。お互いいい稽古をした」と悲壮な表情で話した。
「2勤1休」が定番の横綱が、3日の稽古初めから6日連続でまわしを締めた。場所の初日3日前に大関と申し合いを行うのも初めて。出場を明言しなかったものの、関係者は「横綱の気持ちは出場に向いている」と語った。取組編成会議が行われる9日に出否は決まるが、流れは完全に出場モードだ。