1月10日11時59分配信 京都新聞
「銭湯廃業を何とかせんとう」を合い言葉に若者二人が「京都銭湯部」を結成した。二人とも銭湯好きが高じて、わざわざ風呂なしの家に住むほど。オリジナルの銭湯マップで、ファン開拓に取り組んでいる。
■廃業 何とか“せんとう”
京都建築専門学校主任研究員の吉田玲奈さん(22)=京都市上京区=が部長で、副部長は同校生徒の城幸央さん(25)=同。同校は町家改修に力を入れており、作業後にみんなで銭湯に行くこともしばしば。しかし二年前、吉田さん宅近くの銭湯二軒が突然廃業し、「若者が行かないと銭湯がつぶれる」と、銭湯好きの城さんと銭湯部を結成した。
若者に訴える手段として、目をひくマップを作製することにした。自宅のある上京区の銭湯を取り上げ、「映画の撮影に使われた」「子どもも喜ぶ段々湯」などと説明や味わいのあるイラストも付けた。廃業が進む銭湯の現状も書き込んだ。東山区や南区のマップも作製。銭湯でのイベントなどで配布したほか、ホームページ(HP)にも掲載した。昨秋出場した京都一の銭湯好きを競うイベントでは、その場で配布したマップが人気を呼び、見事「京都銭湯KING」にも選ばれた。
吉田さんと城さんは「京都ならではのタイル絵や、趣のある建物が無くなるのは悲しい」と話し、ほかの区のマップも作っていく予定だ。マップは同校よしやまち校舎のHP(http://www.kyotokenchiku.ac.jp/yoshiyamachi/)でも見ることができる。