1月12日13時1分配信 毎日新聞
◇無料開放、憩いの場 遺族「維持してくれる方に」
106種類もの珍しい竹やささがある直方市植木の観光竹林「ヘイ!バンブー園」(2100平方メートル)を毎日一人で手入れしてきた地主の阿部春鳥さん(83)=北九州市門司区=が先月中旬に亡くなり、園の管理がままならない状況になっている。遺族は「維持してくれる方にお譲りしたい」と話している。【入江直樹】
園は10年前、直方市出身の阿部さんが父親から相続した竹林を整備し、無料開放を始めた。世界各国の珍しい種類の竹を植え、階段やテーブルも設置して来園者が憩えるようにした。春には近くの園児をタケノコ掘りに招待し、切り出した竹で作ったおはしを贈る活動も続けてきた。
遺族によると、阿部さんは先月12日、自宅の風呂で死亡しているのが見つかった。原因は不明。当日も早朝から竹林の手入れに出掛け、体調など特に変わった様子はなかったという。
園は現在、阿部さんが置いていた個人的な所有物などを遺族が持ち帰った以外は十分な管理がなされず、そのままの状態になっている。
遺族は「故人の遺志を尊重し、これまで通り『開かれた竹林』として残したい。地元で保存・管理ができる個人や団体がいらっしゃれば」と話す。直方市にも寄付などについて相談しているという。
〔筑豊版〕