2月14日17時13分配信 紀伊民報
白浜温泉旅館協同組合(白浜町)が普及に力を入れている白良浜での素足ウオークが、メタボリック症候群の予防対策に有効であることが、県立医科大学の有田幹雄教授(循環器内科)の調べで分かった。検診で得られた客観的なデータを基に砂浜ウオークの医学的効用を検証した例は少ないという。旅館組合は「白良浜の良さをどんどん発信したい」と、浜を使った地域活性化に意欲を見せている。
根強い健康ブームに加え、観光客に団塊の世代が増えてきたことに着目した旅館組合が、2007年9月から宿泊客に素足ウオークを勧めている。「浜がきれいで気持ちがいいと好評なので、医学的な立場から効果が分かればもっと広くPRできる」(旅館組合)として、有田教授と白浜はまゆう病院(同町)に調査を依頼していた。
昨年4月から取り組み始め、公募したモニターの男女50人(20~70代)を、5~6月に砂浜を歩くグループと10~11月に歩くグループに等分。砂浜を歩かないグループも含め全員が調査期間の前後に検診を受け、期間中の歩数と血圧を記録した。個々の数値を比較・検討した効果の検証概要がこのほどまとまった。
それによると中性脂肪では数値が196から144に改善するなど、体重や腹囲、体脂肪、総コレステロール、糖尿病コントロールの指標である「HbA1c」の数値などが「有意に減少した」(有田教授)としている。
検診は今年4月と来年4月にも行い、継続してデータを集める。有田教授は「運動は続けることが大切。白良浜の波打ち際は砂が締まって歩きやすく、心拍数が110から120の適度な運動ができる。ふかふかの部分は負荷が大きく過度な運動になるので注意が必要」と話している。
モニターで調査に参加した女性(60)は「浜を歩いた時の足の裏の気持ちいい感触が、頭のてっぺんまで伝わるようで楽しかった」。別の女性(63)は「体が軽くなった。これからも続ける。観光客にも勧めている」と話した。
旅館組合の佐々木孝副理事長は「PRで全国を回っていて白良浜に対する評価が良かったので、活用法をもっとアピールしていきたい」と期待している。