砂浜歩いて3割が脱メタボ成功 和歌山県立医科大

3月4日8時3分配信 産経新聞

 砂浜を歩く運動を2カ月間続けた人の3割が脱“メタボ”に成功-。県立医科大がメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の中高年者らを対象に行った調査で、こんな結果が出た。調査を担当した保健看護学部の有田幹雄教授(循環器内科)は「運動によるメタボの改善効果が科学的に証明された」としている。

 メタボリックシンドロームは内臓脂肪型肥満に高血圧、高脂血症、高血糖のうち2つ以上を併発した状態。調査は、白浜温泉旅館協同組合から同大が依頼を受け、有田教授の研究チームが平成20年4~11月、白浜町の男女47人(平均年齢55歳)を対象に実施した。

 2グループに分けて2カ月間、白良浜海水浴場(同町)の砂浜を毎日素足で歩いてもらい、調査前との医学データを比較。歩く距離は自由に決めてもらったが、通常より平均で1日約3000歩も増えた。

 その結果、対象者の体重が調査前と比べて平均1・1キロ減少したほか、腹囲も平均2・2センチ減。また調査前に基準値を超えていた人のうち中性脂肪は75%、LDL(悪玉)コレステロール値は85%、血糖値は94%の人が改善を示した。

 これによりメタボあるいはメタボ予備群だった計38人のうち、3割がメタボから予備群へと改善したほか、1割は予備群の状態からも完全に脱し、33%が脱メタボに成功した。有田教授は「今回の調査では明らかにならなかったが、砂浜は路上を歩くよりも適度な負荷がかかり、メタボ改善により効果が高い可能性もある」と話している。

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