米沢・小野川温泉:新しい源泉 毎分500リットル、25施設へ供給始める /山形

1月6日13時2分配信 毎日新聞

 米沢市の小野川温泉に新しい源泉「小野川5号源泉」ができ、旅館など25施設へ供給を始めた。小野川源泉協同組合(竹田昭雄理事長)が昨年5月から温泉街の駐車場で3500万円をかけ掘削を始め、8月初めに深さ150メートルで掘り当てた。泉温35・6度、弱アルカリ性の硫黄分を含む塩化物泉でゆう出量は毎分500リットル。「肌にまとわりつくようで気持ちがいい」と評判という。
 温泉には93年に掘削し泉温82度、中性のゆう出量毎分1200リットルを誇る「4号源泉」があるが「地震などで停止したら」という心配があり、2本目の源泉確保が懸案だった。
 これまで旅館は82度の源泉を熱交換機や別の槽などを使い泉温を下げ「源泉かけ流し」をしてきたが、今後は源泉同士でうめられる。「これまでの熱い温泉と新源泉の冷泉、『源泉ブレンド泉』の3タイプを楽しんでもらえる」と竹田理事長は自慢している。【近藤隆志】

【みちのく鬼行】(3)涌谷町の箟峯寺

1月6日8時1分配信 産経新聞

 ■稚児が弓矢で“邪鬼”射抜く

 宮城県北に位置する涌谷町の箟岳(ののだけ)山。標高232メートルと高い山ではないが、山頂からの眺めがいい。田園地帯が広がり、北に栗駒山、西に船形山などの山々を望み、県北一帯を見渡せる。

 その山頂にはスギが鬱蒼(うっそう)と茂り、その中に箟峯(こんぽう)寺の本堂、観音堂が建つ。

 観音堂は征夷大将軍、坂上田村麻呂に由来する。約1200年前、田村麻呂が蝦夷(えみし)征伐の時、観音堂を建立、京都清水寺の十一面観音を勧請したと伝えられる。その後、比叡山延暦寺の慈覚大師(円仁)が中興し、それまでの法相宗霧岳山正福寺から無夷山箟峯寺と改め、天台宗の寺となった。

 箟峯寺の佐々木了章住職(70)が、頭から角を生やした鬼のような絵が描かれたお札を示しながら説明する。絵は平安時代の比叡山の高僧、良源の姿という。良源の命日にあたる1月3日は「元三会(がんざんえ)」が行われ、農作物の作柄を占う「作だめし」がある。良源はおみくじの祖といわれ、読経などの後、クジを引いて作柄を占う。お札の“鬼”の絵には邪鬼を払う力があるように見えた。

 同寺の正月行事は鬼に関係が深い。1月3日夜は鬼を追い払う「鬼やらい」が行われる。本堂では住職がゴオウドウシと呼ばれる栗の木で作ったものを床に落とす音を合図に、僧たちがアズサの木で廊下の床をたたき、掛け声とともに木を外にほうり出す。

 「地域の災いとなる田んぼの病害虫や流行(はや)り病など『悪いもの』を『鬼』とし、これらを払うのです」と佐々木住職。

 「鬼やらい」の後も「鬼」の行事がある。本堂の外に捨てたアズサの木を弓に使い、矢で的を射て天候を占う「御弓(おゆみ)神事」。神事は神仏習合に基づいており、1月25日(現在は第4日曜日)に本堂近くの白山堂の前で行われる。「鬼」の字が書かれた的を僧の介添えで稚児が弓矢で射る。12カ月に見立てて12本(閏年は13本)の矢を射て、天候や作柄を占う。白山は農村が広がるこの地方で農作物の「作神様」として信仰を集めてきた。

 「ここでも鬼、すなわち悪いものを射抜くのです」と佐々木住職。

 箟岳から望める地方に生まれ育った者としては、厄災をもたらす鬼のほかに、箟岳にはもうひとつの鬼のイメージがある。

 征夷大将軍の坂上田村麻呂。この田村麻呂についてはさまざまな伝説が残っているが、鬼退治はそのひとつだ。

 箟岳から北西に約50キロの宮城県大崎市鳴子温泉の鬼首(おにこうべ)。この鬼のついた地名は田村麻呂の鬼退治に由来するという伝説がある。田村麻呂が鬼を退治し、切り落とした首が箟岳から飛んで落ちた地が鬼首と呼ばれるようになった-。この話は小さいころ大人から聞かされ、鬼の首が「怖い顔」のまま遠く鬼首まで飛んでいったのだろうと想像し、しばらく信じ込んでいた。地元に根強く残る伝説だ。

 こうした伝説には、かつて岩手、宮城で活動した座頭と呼ばれる盲目の芸人が弾き語った奥浄瑠璃「田村三代記」の影響が大きいとされる。テレビなどがない時代、こうした芸能は庶民の娯楽だった。だが東北芸術工科大学の内藤正敏教授は「娯楽だけでなく鎮魂の意味もあった」と指摘する。

 座頭の姿はいまはなく、言葉だけが地元に残る。鬼の伝説に遠い昔の東北、蝦夷へ思いをはせながら箟岳を下りた。

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 奥浄瑠璃「田村三代記」では坂上田村麻呂が田村丸として登場する。仁明天皇の時、天竺(てんじく)の魔王の娘が日本を覆そうと図っていた。天皇は田村丸にこの女の討伐を命じるが、討つことができず、逆に口説かれて、契りを結ぶ。田村丸は女の助力で悪者を退治。これを知った奥州の鬼神、大嶽丸は女を奥州に連れ去る。女の導きで田村丸らは大嶽丸がこもった箟嶽(岳)山に向かい、4振の剣を大嶽丸に投げ観音に祈ると、大嶽丸の体を4つに裂いた。首は奥州と出羽の境に飛んでいき、落ちた所が鬼首と呼ばれるようになったという。東北芸術工科大学の内藤正敏教授は「暴れ回る鬼の方がおもしろく、主役になっている。豊かな想像力を感じる」としている。(石崎慶一)

地獄谷野猿公苑 温泉に入る野生猿、豪州人らに人気 長野

1月6日2時54分配信 毎日新聞

 世界で唯一、野生猿が温泉に入る姿を観察できる長野県山ノ内町の「地獄谷野猿公苑(やえんこうえん)」が、オーストラリア人スキー客らを中心に外国人観光客の人気スポットになっている。円高にもかかわらず主な周辺スキー場の豪州人宿泊予約率は前年比で約2倍、金融危機後もキャンセルはほとんどないという。地元は、今後も伸びる余地があるとみて、さらなる誘客に取り組む。

 野生猿200匹がおり、雪をかぶりながら温泉につかるユーモラスな姿が米写真誌「ライフ」の表紙を飾ったことも。年間入場者9万人の約2割が白馬や志賀高原などでスキーやスノーボードを楽しむ外国人観光客だ。

 信州・長野県観光協会によると、01年の米同時多発テロ以降、豪州のスキー客は北海道に流れ始め、4年前から長野への流入が本格化。東京から新幹線で1時間半という立地の良さに加え、善光寺など観光スポットに恵まれているのも強みという。【竹内良和】

熊野市に交流施設 7月オープン(和歌山)

1月7日17時24分配信 紀伊民報

 三重県熊野市の熊野古道沿いに7月、公設民営のリゾート施設「里創人(リゾート)熊野倶楽部」がオープンする。紀伊半島南部の集客力を高める拠点として計画された滞在型の交流施設で、宿泊や飲食のほか、観光客が熊野を楽しむための体験交流機能、特産品の市場などを備える。同県と熊野市、御浜町、紀宝町、地域住民らが協力している。
 三重県が06年1月、「紀南中核的交流施設整備事業」として、独立採算により10年以上継続して運営することを条件に民間会社を公募した。07年3月、11社の応募の中から審査した結果、全国70カ所以上で企業の保養所や公共の宿を運営する「エムアンドエムサービス」(大阪市)に決まった。建設費は約30億円で、三重県が9割、残りは熊野市と御浜町、紀宝町が負担している。
 行政と地域住民、事業関係者が意見交換会を重ねて、施設の構想を固めた。敷地面積は約14ヘクタール。施設の延べ床面積は5480平方メートル。宿泊棟からは熊野灘が一望でき、全40室ある。宿泊客の収容人数は176人。
 このほか、体験交流の総合案内所、郷土料理などの飲食店、露天風呂、伝統工芸の実演や体験ができる工房、地元特産のミカンを中心とした市場、熊野地方の特産品販売所などがある。
 7月17日にオープンする予定。初年度の集客見込み人数は13万8740人(日帰り12万5240人、宿泊1万3500人)、売上見込み額は約4億3000万円。

【みちのく鬼行】(4)風間浦村・ナガミヘズリ 下北の“ナマハゲ”何処から

1月7日8時4分配信 産経新聞

 青森市内を車で出てから3時間あまりが過ぎただろうか。村落に入っても、鬼どころか人ともすれ違わない。人の顔で見えるのは政治家のポスターぐらい。青森県風間浦村。下北半島の突端は道が凍りかけている。

 待ち合わせ場所に立っていた同村の民俗学研究家の柴垣弘美さん(79)を見つけた。

 「ポスターは選挙が近いって秋に突然据え付けられたんだけど、いつやるのかね?」

 その答えはこちらが知りたいぐらいだ。質問で返した。こちらにナマハゲがいると聞いたのですが。

 ナガミ(メ)ヘズリとこの地方では呼ぶ。柴垣さんによると、小正月の時期、地域の年配者が鬼のような顔をした面などで顔を隠し、みののようなものを羽織ったナガミヘズリとなって家にやってくる。金属のバケツなどを棒でカンカンならしながら「泣ぐわらしいねが~」と声を張り上げて子供を怖がらせるという。暖炉の火にあたりすぎて焼けた皮膚をナガミと呼ぶ(秋田ではナモミ)。ヘズリはそれをはがすことで、怠け者を懲らしめる意味。「ナモミを剥(は)ぐ」からナマハゲに転じた秋田と同じだ。

 行事自体は柴垣さんが子供のころを最後に途絶えたが、青森県でこの行事が見られたのはこの下北半島だけという。秋田県のナマハゲのような行事は、他に能登半島(石川県)や山形、岩手県沿岸にもあるらしい。海を渡ってきたのだろうか。

 「実は、私の先祖は能登半島からやってきたんです」と柴垣さん。能登半島の柴垣海岸まで旅したこともあるという。そういえば、沿道に「能登」という表札や店の看板があった気がする。他にどんなものが伝わってきているのだろう。

 外に出ると、日はすでに暮れている。近くの食料品店の裏から、食事中なのか、家族の笑い声が聞こえた。ナガミヘズリの取材と告げると、なかにもっと詳しい人がいるといって案内してくれた。部屋が熱気で少しくぐもっている。タラ鍋だ。

 蛸島敏春さん(74)は懐かしそうに話し始めた。「電灯になって明るくなってからやってない。中身が分かるようになっちゃったからかな」。村議会の副議長をしているそうで語り口も引き込まれる-はずなのだが、視線はタラ鍋に移る。

 「食うか?」

 遠慮しては失礼だ。切り身に加え、しらこなども入って濃厚な味がご飯に合う。ナガミヘズリの来た後は、こうして鍋を囲んで年長者が子供らを諭していたのかもしれない。子供らが話と鍋、どちらに気を取られていたかは別にして。

 蛸島さんらによると、石川県どころか九州から移り住んだ人もいるらしい。充実した取材が果たせたので、お礼を告げて出る。

 「佐賀」と書かれた豪邸は車で10分走った下風呂温泉付近にあった。豪邸の主人、佐賀平一郎さん(69)によると、先祖は近世、鍋島藩(佐賀県)の跡目争いから逃れて最後はここ風間浦村に行き着いたという。

 佐賀家の近くに奉公人が始めたともいわれる「佐賀旅館」を見つけた。あいにく部屋は満室。だが、ナガミヘズリを持ち出した途端に受付の佐賀典子さん(55)の表情が変わった。実家では小学生時代まで行われていたという。手伝いに来ていた姉の井口二恵子(ふえこ)さん(59)を呼び出して、待合室でナガミヘズリを端緒に思い出談義が始まった。

 「大きいくま手のようなのを持ってね、玄関に上がらずにトオリ(土間のようなもの)から家に入ってきておっかないの」

 姉妹の先祖は岩手から来たそうだ。会話が弾むうちに、客が食事をしている間なら温泉に入れることになった。

 タラ鍋の余韻と熱々の温泉に浸っていると、“ナマハゲ”が日本海を越えて住み着きたくなった(?)気持ちが分かった気がした。

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 そもそもナマハゲ、ナガミヘズリは鬼なのだろうか?

 ギョロッとした瞳、高い鼻に大きい角。秋田県のナマハゲの見た目はいかにも「鬼」。だが、文化庁のデータベースによると、ナマハゲは神々の使者として人々に祝福を与えるのが本来だ。

 東北芸術工科大の内藤正敏教授は、民俗学者の折口信夫がナマハゲを「春来る鬼」と冠した論文で紹介したのが影響しているのではないかとみている。同論文ではナマハゲを鬼として紹介するが、なぜ鬼と定義したかの説明はないという。

 論文の題が「春来るカミ」だったら…。秋田の観光名物も少し形を変えていたかもしれない。(荒船清太)

地域に根差した銭湯に/藤沢の北橋さんが奮闘記出版

1月4日0時0分配信 カナロコ

 地域に根差した銭湯にしようと活動する藤沢市亀井野にある「栄湯湘南館」の北橋節男さん(49)が奮闘記を本にまとめた。少なくなるお風呂屋さんの灯をつないでいきたいとの思いが込められている。

 市内で銭湯を経営して三代目となる北橋さん。市内の私立高校で教べんを執っていた二十五歳のときに父が他界し、一念発起して銭湯を継いで二十四年になる。

 地域活性化の試みを始めたのは八年ほど前。近くの小学校のPTA会長を務めた縁から小学生向けの体験入浴や、知人の落語家を招いての銭湯寄席などを催す。
 かつて市内に二十軒ほどあった銭湯も、現在営業しているのは三軒だけという。「地域で生き抜くためにはどうすればいいのか。気持ちのいいサービスを提供したかった」と話す。

 「風呂屋が地域を再生する」と題された著書は、そんな北橋さんの銭湯への思いや、子供との触れ合いで感じたことなどが九十六ページにわたってつづられている。昨夏からコツコツと書きため、昨年末に出版した。

 北橋さんは「近くの銭湯に足を向けようと思ってくれればうれしい」と話している。定価千四百円。問い合わせはファクス0466(81)2972か、電子メールshonanyu@cityfujisawa.ne.jpまで。

藤沢のオーガニックモール「エコモ」で初の初売り-限定15個の福袋も

1月5日12時15分配信 湘南経済新聞

 藤沢に昨年7月にオープンしたオーガニックモール「ecomo(エコモ)」(藤沢市城南5、TEL 0466-36-7383)は1月7日、初売りを行なう。

 エコモ内の展示スペースで10時と14時に樽酒の鏡開きを開催。エコモで買い物や食事をした客を対象に振る舞う。飲酒しない客や子どもにはくず湯のサービスも。

 また、家族で楽しい正月の思い出を作ってもらおうと、世代を超えて楽しめる正月の遊びを用意。展示スペース、キッズルーム、モデルルームで、こま回しや羽子板、福笑いなど日本の伝統的な正月遊びを提供する。

 初売りでは、8,000円相当のコスメや雑貨が入った福袋を15個限定で用意。紙やビニールの袋に入った福袋が多い中、エコモではエコバックを使う。担当の田村彩さんは「いくつかテーマを設定して選んだ。ひとつは『お風呂』。体と環境に優しいお風呂タイムが楽しくなるような商品で、良い一年のスタートを切ってもらえたら。中身が見えるようになっているのでぜひ選んで」と話す。

 雑貨や生鮮食品の販売などの営業時間は10時~20時。レストランは、ランチ=11時~14時、カフェ=14時~15時30分、ディナー=18時~20時30分。