12月22日6時12分配信 河北新報
宮城県内の公的機関、観光団体などが催すミスコンテストやキャンペーンガールの応募者の減少傾向に、拍車が掛かっている。中には志願者がピーク時の3分の1以下に落ち込んだ例も。ミスコンテストを女性蔑視(べっし)ととらえる風潮が定着したことなどが理由とみられ、主催者は「応募者減に歯止めを掛ける妙案が浮かばない」と頭を抱えている。
2人が選ばれ、地元・鳴子温泉などの観光を2年間にわたって宣伝する大崎市の「ミスこけし」。コンテストのことしの応募者は33人で、108人だった前回06年の3割に減った。
主催事務局の鳴子温泉郷観光協会は「ミスコンテスト受難の風潮があるのは分かっているが、それにしても減り方が著しい。財政難でPR費も抑えざるを得ず、志願者を増やすのは難しい」とこぼす。
仙台市の県護国神社がPR役として募る「ミス福娘」も志願者減に見舞われている。06年まで150人前後で推移したが、07年は83人、ことしは61人と減り続けている。神社は「競争を敬遠しているのだろうか」と話す。
3人で県産米を売り込む「みやぎライシーレディー」。06年の応募者は61人だったが、07年は42人に減少し、ことしは26人とさらに落ち込んだ。
県などでつくる主催者の宮城米マーケティング推進機構は男性にも門戸を開いており、申込者の獲得に躍起。来年は大学や専門学校にポスター、パンフレットを集中的に配り、募集を強化する。
こうした「ミスコン離れ」を、当然のことのように受け止める若い女性も少なくない。
「女性を評価する物差しは多様化し、ミスコンテストは時代遅れ。長期間拘束されることにも抵抗感がある」と手厳しいのは、若林区の大学3年の女性(22)。青葉区の大学3年の女性(20)は「水着審査がある印象があり、不安だ」と話す。
「ミスコンテストに出ると目立ちたがり屋と思われる」と警戒するのは太白区の専門学校生女性(19)。華やかな役割を望む若者が減っている背景には、突出を好まない現代っ子気質もあるといえそうだ。