「ケンちゃん」パパで名演、牟田悌三さん逝く

1月10日7時1分配信 スポーツニッポン

 テレビドラマ「ケンちゃん」シリーズの父親役などで親しまれ、ボランティア活動でも知られた俳優の牟田悌三(むた・ていぞう=本名同じ)さんが8日午後11時33分、虚血性心不全のため東京都目黒区の病院で死去した。80歳。東京都出身。突然の悲報に「ケンちゃん」シリーズに主演した宮脇健(47)=当時は康之=は「実の父を失ったみたい」と悲しみにくれた。

 個性的な脇役としてテレビや映画で活躍した牟田さんが静かに逝った。

 所属事務所などによると、8日午後10時半ごろ、東京・世田谷区の自宅の風呂場で倒れている牟田さんを妻のさ知子さん(78)が発見。牟田さんは救急車で目黒区の東京医療センターに運ばれたが、同11時33分に死亡が確認された。

 一夜明けた9日午後5時すぎ、長男でフジテレビ勤務の夏彦氏(47)が自宅前で取材陣に対応。「風呂は24時間いつでも入れる巡回式で、父は42度とちょっと熱めが好きでした。臨終は母や家族がみとることができましたが、笑ったような穏やかな顔でした」と話した。

 牟田さんは10年前に脳梗塞(こうそく)を患い、3年前には大腸がんが見つかり摘出手術を受けた。体調を見ながら仕事は続けたが、昨年8月に放送されたNHKドラマ「帽子」が最後の出演作になった。

 さ知子さんとはおしどり夫婦で、2男3女の子宝に恵まれた。昨年12月26日から今年1月2日まで、さ知子夫人の希望でウズベキスタンに夫婦水入らずの旅行をして帰国したばかりだったという。

 牟田さんは麻布高校を卒業して北海道大学に進学。在学中に俳優を志し、劇団テアトル・エコーを経てフリーで活動を始めた。54年から草創期のテレビに出演。喜劇的な演技が持ち味で、70年代に人気を集めたTBS系ドラマ「すし屋のケンちゃん」「ケーキ屋ケンちゃん」などケンちゃんシリーズではこっけい味のある優しい父親を演じてお茶の間の人気者になった。79年に始まった同局「3年B組金八先生」では一転、杉田かおる(44)が演じ、中学生で妊娠する女生徒の鬼のような父を熱演した。

 夏彦氏が中学生の時にPTA会長を務めたのが縁で、ボランティア活動にも熱心に参加。中教審専門委員のほか世田谷ボランティア協会名誉理事長などを歴任。99年には子供相談電話「チャイルドライン支援センター」を設立し、顧問をしていた。同センターは今月23日に10周年の記念セレモニーを開催。牟田さんも出席してスピーチする予定だったが、かなわなかった。

 ◆牟田 悌三(むた・ていぞう)1928年(昭3)10月3日、東京都出身。主な出演ドラマは「太陽にほえろ!」(日本テレビ)、「独眼流政宗」(NHK)、「医龍2」(フジテレビ)など多数。映画は「坊ちゃん」「四季・奈津子」「ヒポクラテスたち」など。TBSラジオ「牟田悌三 あなたのための税金相談」では80~05年まで25年にわたってパーソナリティーを務めた。00年にはボランティア活動を評価され、吉川英治賞・文化賞を受賞。ほかに旧厚生省や文部科学省の委員としても活躍した。

寒中水泳:いつもより冷た~い! 無病息災の御利益も大?--鉄砲洲稲荷神社 /東京

1月12日11時0分配信 毎日新聞

 中央区の鉄砲洲稲荷神社で11日、寒中水泳大会が開かれ、ふんどし姿の参加者が1年間の無病息災を祈った。
 今年で55回目。北海道や石川県など全国から応募した53人が参加した。例年を下回る気温7度の冷え込みの中、おはらいを受けた参加者は、氷柱2本を浮かべた直径約5メートルの特設プールに入り3~5分間、手を合わせた。水浴後は近くの銭湯で温まった。【石丸整】
〔都内版〕

山梨の公衆浴場20円値上げへ

1月11日8時1分配信 産経新聞

 山梨県は公衆浴場の入浴料金統制額(上限額)を20円増の400円に改正すると告示した。2月1日から適用する。昨年の重油価格高騰を受けて業界が要望し、県内の銭湯16軒で値上げに踏み切る。

 県公衆浴場業生活衛生同業組合によると、昭和40年代には県内に銭湯が約130軒あったが、各市町村の温泉施設整備などで激減し、昨年は重油の価格高騰などで2軒が廃業。料金を値上げすれば平成17年11月以来。同組合は「現在、重油価格は落ち着いたとはいえ、まだ高い」と話している。

九大三景:/7 箱崎 街の記憶、サイトに保存 /福岡

1月10日17時1分配信 毎日新聞

 「昔の学生さんはみんな、大きなどんぶりで何杯も食べて行きなさったよ」「へぇー」
 福岡市地下鉄箱崎九大前駅(東区)近く、小さな路地の奥に食堂「ふなこし」はある。10席に満たない狭いカウンターで、九州大学大学院で社会学を学ぶ益田仁さん(26)らが、メモを取りつつ店主の船越晴二さん(72)、寿子さん(68)夫婦の話に聴き入っていた。
 六本松に先立ち、伊都キャンパスへの移転が始まった九大箱崎キャンパス。07年には工学部などが全面移転し、箱崎の街は人影がめっきり減った。益田さんら社会学研究室の学生約20人が07年に設立した「箱崎九大記憶保存会」は、九大生の思い出が詰まった箱崎の「記憶」を形に残そうと、ノートとデジタルカメラを手に取材に歩いては、ネット上に記録し続けている。
   ◇
 益田さんにとって「ふなこし」は単に「安くてうまい」だけの店ではなかった。研究に行き詰まり、泣きながら店に行った時、店の人たちに何度となく励まされたことを忘れない。
 「多くの九大生が、それぞれの店をこの街に持っている。僕らにとって、箱崎は親のような存在」と益田さん。移転とともになじみの店が次々と街から消えていくのを見て「街への感謝の気持ちを表したい」と一念発起、研究室の後輩と保存会を作った。
 保存会に集う仲間の思いはさまざまだ。文学部3年の梶田枝里さん(20)は、六本松から箱崎に来たばかりで「最初は街への愛着はなかった」が、取材に歩く中で「お店の人たちが、通っていた学生すべての思い出を大切にしていた。九大生への親心に触れることができた」。今は活動に義務感さえ感じる。
 卒業後に北九州市で就職、大学職員として箱崎に帰ってきた大矢敦子さん(25)は、離れていた間に街が激変したのに衝撃を受け、保存会に参加した。「学生時代は近所のお店はあまり使っていなかったけど、活動を通じていろんなお店を知ることができた」と、箱崎の魅力を再発見している。
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 サイトを見て「懐かしい」と埼玉県からカンパを送ってきた卒業生。「通ってくれた子らが訪ねてきたら切ない」と、取材をやんわり拒んだ老舗銭湯の経営者――。それぞれがそれぞれの形で、九大とともにあった時代を大切にしているのが分かる。
 「小さな街の小さな記憶は、誰かが意識的に残さないと本当に消えてしまう」。益田さんらは「箱崎育ち」の自負を胸に、これからも街に埋もれた思い出を探し歩くつもりだ。
 サイトのアドレスはhttp://hakozaki‐kyudai.com/【尾中香尚里】
〔福岡都市圏版〕

「京都銭湯部」を結成 上京の若者2人 ファン開拓へ

1月10日11時59分配信 京都新聞

 「銭湯廃業を何とかせんとう」を合い言葉に若者二人が「京都銭湯部」を結成した。二人とも銭湯好きが高じて、わざわざ風呂なしの家に住むほど。オリジナルの銭湯マップで、ファン開拓に取り組んでいる。
 ■廃業 何とか“せんとう”
 京都建築専門学校主任研究員の吉田玲奈さん(22)=京都市上京区=が部長で、副部長は同校生徒の城幸央さん(25)=同。同校は町家改修に力を入れており、作業後にみんなで銭湯に行くこともしばしば。しかし二年前、吉田さん宅近くの銭湯二軒が突然廃業し、「若者が行かないと銭湯がつぶれる」と、銭湯好きの城さんと銭湯部を結成した。
 若者に訴える手段として、目をひくマップを作製することにした。自宅のある上京区の銭湯を取り上げ、「映画の撮影に使われた」「子どもも喜ぶ段々湯」などと説明や味わいのあるイラストも付けた。廃業が進む銭湯の現状も書き込んだ。東山区や南区のマップも作製。銭湯でのイベントなどで配布したほか、ホームページ(HP)にも掲載した。昨秋出場した京都一の銭湯好きを競うイベントでは、その場で配布したマップが人気を呼び、見事「京都銭湯KING」にも選ばれた。
 吉田さんと城さんは「京都ならではのタイル絵や、趣のある建物が無くなるのは悲しい」と話し、ほかの区のマップも作っていく予定だ。マップは同校よしやまち校舎のHP(http://www.kyotokenchiku.ac.jp/yoshiyamachi/)でも見ることができる。

大迫勇、ジーコ流で“怪物”平山超えだ

1月10日10時5分配信 デイリースポーツ

 「全国高校サッカー・準決勝、鹿児島城西-前橋育英」(10日、埼玉)
 黒豚パワーとジーコ流シュート練習で、“怪物”平山超えだ。超怪物FW大迫勇也(3年)を擁する鹿児島城西は9日、前橋育英(群馬)との準決勝に向けて、都内のフットサル場で約2時間、汗を流した。4試合連続2得点中の大迫勇は最終調整をシュート練習で締めくくり、首都圏開催(1976年度)以降、1大会での個人最多得点の更新をかけて準決勝に臨む。
  ◇  ◇
 聖地・国立への進出をかける準決勝。大迫勇の最終調整の締めくくりは、ジーコ流のシュート練習だった。チームメートの転がすボールを追いかけながら、破壊力抜群の両足から強烈なシュートを何度もゴールに突き刺した。
 よくあるトレーニングシーンだが、日本代表のジーコ元監督は恒例としてやっていた。大迫勇の入団が内定しているJ1鹿島でも、ジーコ氏が入団直後のFW柳沢(現京都)らを徹底的にしごいたシュート練習と、まったく同じパターンだった。
 準々決勝から中4日の間隔にも「リカバリーがしっかりできて、いい感じで迎えられる。緊張せずに楽しくサッカーができている。明日も平常心で。国立?準決勝が一番大事。しっかり勝って決勝に行きたい」と、目の前の試合に集中した。
 調整の難しい“中休み”は、チーム全員と一緒に銭湯体験をした。昔ながらの風情に驚きながらも「リフレッシュになりました」とニッコリ。地元鹿児島から飲料水を持ち込むなど体調管理は万全。差し入れられた地元名産の黒豚でパワーも注入された。
 チームは通算22得点で大迫勇は8得点。首都圏開催以降の1大会最多得点記録のチーム(81年度の帝京=24点)と、個人(03年度の平山=国見、現FC東京)のダブル更新に向けて「無心で試合に臨むだけ」といいながら「チームのためには点を取るのが一番。しっかり点を取って勝ちたい」と、ゴール量産を誓った。

「信州そば切りの店」3店が初認定 県産粉のみを使用

1月9日12時12分配信 中日新聞

 信州そばのPRに取り組んでいる「信州そば産地表示推進協議会」(松本市浅間温泉)は、県内の3店舗を「信州そば切りの店」に認定し、8日、認定の看板を各店舗に届けた。信州そばを求めて県内を訪れる観光客に、認定看板が店選びの道しるべになればと期待している。
 同協議会は昨年6月、県内のそば店やそば生産者などで発足。県産のそば粉のみを使い、つなぎが3割以下の手打ちそばを「信州そば切り」と定めた。認定には県産のそば粉を5割以上使っていることが条件。県内のそば好きの3人が、認定を希望したそば店を訪れ、味や店の雰囲気を審査し認定店を決める仕組みだ。
 昨年11月から応募を受け付けたところ20件の応募があり、認定第1号になったのは松本市奈川のそば店「福伝」。店主の池田善寿さん(43)は「奈川のいいそば粉や水でつくるのが店の売り。認定に恥じないよう、品質を維持したい」と気を引き締めた。
 同協議会の事務局長山崎良弘さん(53)は「認定店を増やし、県内で100店舗以上になれば」と意気込んでいた。
 認定店はそのほか、同市奈川の旅館「仙洛」、池田町のそば店「かたせ」。
 (福岡範行)

バットで「合格」成就を 下呂の温泉寺で祈とう会

1月9日12時10分配信 中日新聞

 下呂市湯之島の温泉寺で8日、下呂温泉合掌村で販売するお守り「かなうわバット」の祈とうがあり「合格」429本など計671本を本尊の前に供え、岩浅宏観住職や合掌村職員らが念願成就を祈った。
 県内産のヒノキを使った約30センチのミニバットで、グリップの小さな輪が外れない構造になっている。「落ちない」「外れない」縁起物として2001年1月から合掌村で販売を始めた。
 「夢」や「健康」など願いごとは6種類あるが、この時期は「合格」が中心。昨年12月には、月間で過去最高の880本を売り上げる人気で、受験シーズンを控え追加生産したという。1本1500円。合掌村では10日午後1時から3時半まで、下呂町助役時代にバットを発案した河原良昭さんが購入者の名を無料でバットに書き入れるサービスをする。
 (福本雅則)

コオロギ:冬でも活動--弟子屈の数カ所で /北海道

1月9日12時1分配信 毎日新聞

 屈斜路湖(釧路管内弟子屈町)近くに、真冬でもコオロギが見られる所が数カ所ある。「ポンポン山」の山頂近くもその一つ。火山活動の影響で一帯は地熱が高いため積雪もなく、地面には青々としたコケが点在。その間でコオロギの一種のマダラスズ=写真=が「ジー、ジー」と鳴いている。
 屈斜路湖周辺には局所的に地熱が高い場所が多い。ポンポン山では噴気も出ており、地面が暖かいために冬でもコオロギが活動できるらしい。同町の川湯エコミュージアムセンターによると、マダラスズなど6種類が確認されているという。湖畔の仁伏温泉から約40分の雪道を歩いた場所にあり、関心のある観光客が時折訪れ、厳冬期の珍しい光景を楽しんでいる。【去石信一】

ドラマ放映待ち遠しい 愛媛・松山で「坂の上の雲」制作風景を展示

1月9日8時4分配信 産経新聞

 今秋から3年かけてNHKが放送を予定しているスペシャルドラマ「坂の上の雲」の収録が主人公の出身地、松山市など各地で進んでいる。市内の子規博物館ではドラマの制作風景を撮影したパネル展が開かれ、坂の上の雲ミュージアムでは3月から企画展「秋山好古展」を開催。11月からの放送開始に向けて、市内でもドラマへの期待が高まっている。

 ドラマは、秋山好古(阿部寛さん)、真之(本木雅弘さん)兄弟と詩人の正岡子規(香川照之さん)の3人が主人公。19年に茨城、熊本などで収録が始まったほか、ロシアでもロケを実施。愛媛県内では昨年10月、松山市の道後温泉で真之と父・久敬(伊東四朗さん)、夏目漱石(小澤征悦さん)の3人が入浴するシーンや、子規と真之が将来を語り合う様子を撮影。また、真之に正岡律(菅野美穂さん)が結婚について尋ねる場面なども収録された。

 同ミュージアムでは、日露戦争で騎兵を率いて戦った秋山好古が松山で過ごした幼少期と晩年を中心に描いた企画展を3月から1年かけて実施する予定という。

 大阪府東大阪市の司馬遼太郎記念館の上村洋行館長は「原作のニュアンスをどこまで映像で表現できるのか。大きな期待を持っているが、一歩間違えば戦争賛美につながり、小さな不安も抱えている」と語った。