住宅支援策:解雇者などに県営住宅30戸、月5000円で貸し出し /栃木

12月19日13時1分配信 毎日新聞

 県は18日、景気の急速な悪化で県内企業を解雇された人などを対象に、通常募集とは別に、県営住宅30戸を最長1年間、月額5000円で貸し出す住宅支援策を発表した。県庁で会見した大塚晴久住宅課長は「住宅は完全な状態ではないが、利用していただければと思う」と述べた。
 募集する住宅は、宇都宮市内の若草住宅(5戸)、富士見住宅(5戸)、宝木住宅(13戸)、佐野市内の石塚住宅(7戸)。
 2Kから3DKで、いずれも築40年以上で風呂なし。老朽化で現在募集していない住宅のうち、修繕が必要ない部屋を貸し出す。通常募集では、収入が最低レベルの人でも家賃は月額1万~1万3000円程度かかる。
 対象者は10月1日以降、県内の企業を解雇された、または解雇見込みにより、社宅などから退去、または退去を求められている人。受け付けは22~24日午前9時~午後5時の3日間で、応募者多数の場合は25日に抽選を行い、同日から入居できる。問い合わせは県住宅供給公社本社(電話028・622・0641)【葛西大博】

「佐竹台団地」19日に建て替え完了 千里ニュータウン

12月19日8時1分配信 産経新聞

 千里ニュータウンにある府公社の賃貸住宅「佐竹台団地」(吹田市)の建て替え工事が、19日に終わる。2期にわけて実施された工事の完了で、建て替え前からの住民135世帯を含む引っ越しが、年末年始に行われる。周辺には建て替えによる高層化に反対する声もあったが、粘り強い話し合いで解決したモデルケース。子育て世代を呼び込む仕組みも導入し、新年から新たなコミュニティー作りがスタートする。(山澤義徳)

 昭和39年に入居が始まった佐竹台団地は、府住宅供給公社が千里地域に初めて建てた賃貸住宅。5階建て25棟790戸で、風呂付き3DKはサラリーマンのあこがれだった。

 「ちゃぶ台からテーブルへ。家賃がきつかったけど団地生活は誇らしかった」。造船会社の社員だった安倍欣之助さん(81)は、兵庫県川西市の借家から移ってきた。国鉄(現JR)の初乗りが10円だった時代に、家賃がそれまでの借家の倍、月1万円だったという。

 やがて入居者の高齢化が進み、エレベーターがない建物に辛さを訴える声が増える。阪神・淡路大震災を機に耐震化が叫ばれ、平成14年に公社が建て替えを打診する。だが、高層化に対して周辺住民が異を唱えた。

 「対立を解くには時間が必要だった」と佐竹台連合自治会長の谷川一二さん(75)。話し合いを中断し、冷却期間をおいた。

 1年後、団地内と同じように高齢化していた周辺住民から「歩道がないため道路を歩くのが怖い」という声が聞こえてきた。谷川さんは落としどころを直感。公社と掛け合い、建て替えに際して、団地前の道路350メートルに歩道を付けることで、高層化に合意を得た。

 工事が始まった15年以降も、自治会は毎月公社と建設会社を招いて参加自由の会合を開き、苦情や要望に対応した。この「佐竹台方式」は今年2月に全国のニュータウン関係者を招いて千里で開かれた「ニュータウン人縁卓会議」で話題になった。

 新しい団地は、5~14階建て10棟560戸で、建て替え前からの世帯はおよそ半数。独居高齢者から子育て世代までに対応可能な49~81平方メートルの7タイプを設け、家賃は月7万円台~11万円台。建て替え前は4万円台前半だったが、広くなり、バリアフリーの最新設備に。以前からの入居者には期間限定で賃料の低減措置もある。

 新入居者には、子育て世代に優先枠を設けたことも特徴のひとつ。千里ニュータウンでは、65歳以上の高齢化比率が3割に上るため、若年層を呼び込むのがねらいだ。吹田市は「千里再生のモデルケースになれば」と期待する。

 新旧住民が協力した街づくりの取り組みが始まる。谷川さんは「年明けからが正念場です」と気を引き締めている。

三重・鳥羽の旅 老舗観光地、海と人と

12月18日16時3分配信 産経新聞

 三重県鳥羽市は老舗観光地である。と同時に、今も研鑽(けんさん)を怠らず、さまざまな仕掛け、リニューアルを連発し進化し続けている。「商売は飽きない(商い)が大事」と言われるが、全国、いや世界から人を集めるのも同じ。コンテスト「伊勢志摩キャンペーン2008創作料理展in鳥羽」が初めて開催され、入賞した斬新な料理が来年早々、宿泊施設で楽しめるようになった。「鳥羽水族館」、「ミキモト真珠島」を巡りつつ、海と人との豊かな関係を確かめた。(藤原義則)

 辺りは冬枯れ、と言いたいが、常緑樹が繁茂して迫る。山中を切り裂くように、近鉄特急が鳥羽線を走り抜けた。やがて目の前に鳥羽の海が広がった。日差しは明るい。

 鳥羽駅で降りて、鳥羽水族館へ向かった。1955(昭和30)年5月15日、開館。53年経つが、リニューアル、ボリュームアップを続け、今では約850種2万点が展示されている。「各水族館で特徴がありますが、鳥羽は入館者が日本最多。来年5月以降、通算5500万人に」と学芸員の杉本幹さん。でも記念式典は「5555万5555人達成時がよろしいな」と夢を膨らませた。

 女優、竹下景子さんがセイウチと抱き合い、「お髭(ひげ)が茹(ゆ)でる前のスパゲティーみたい」とポスターで叫んでいるが、セイウチはとぼけた顔して、のったりと泳ぐ。暖かい海に暮らすジュゴンは雄と雌が別々の水槽に入っており、雄は水草をむさぼり食っていた。

 一回り大きいマナティがいい。アフリカの淡水に暮らし、体重700キロ。サラブレッドより200キロ重い。グデーッと水底に横たわり、時々、「仕事かい」とばかり浮き上がるが、すぐに沈む。おおらかでノンビリしてらくちんそうで、本当にうらやましい。

                   ◇ 

 次に、「ミキモト真珠島」へ。リニューアルを重ねており、モダンで清潔な建築群が目に入る。明治26年、真珠王、御木本(みきもと)幸吉翁が世界で初めて真珠養殖に成功した島として知られている。

 観光客らの人気を集めているのが、1日10回前後繰り広げられる「海女(あま)の実演」。3人が海女船で養殖筏(いかだ)まで近づいてきた。純白の磯着に身を包み、船上から手を振った。見るからに寒そう。それなのに、ザンブと冬の海に飛び込んだ。思わず身が縮んだ。ゲストルームでガラス越しに、香港からの団体観光客が大拍手。中国語など9カ国語のガイダンスが流れるそうだ。

 「冬と夏で実演手当てが異なるでしょ?」と質問してみた。経営企画室の担当者は嫌がらず、「そうなんです。でも冬は拍手が多いけど。夏なんか『オー、気持ち良さそうやな』と羨(うらや)ましがられるばかり」と笑顔をみせた。冬の海水温は7度まで下がる。辛いだろうが、上は55歳定年で、下は18歳。海女初体験の女性も増え、地元の雇用促進に貢献しているそうだ。

 海外観光客が増加中で、特にアジア勢が健闘。「皆さん、ここで真珠を買うのが鳥羽観光最大の目的です」。真珠が宝石になるまでのすべてが博物館で見学できる。今でも世界の真珠の重量だけは「匁(もんめ)」で計られるという。

                   ◇  

 創作料理展は今年11月、鳥羽商工会議所で行われた。プロの技はさすが豪華絢爛(けんらん)だが、弁当部門は一般・高校生が出展した。伊勢市のパート、茂谷順子さん(49)は「美(うま)し国のおかげ弁当」で県知事賞。特産アオサとジャコの天ぷら、カレー風味のアラメ、メーンはカツオの「手こね寿司」。

 会長賞には三重県立白子高校生活創造科3年、鈴鹿市の山下友里さん(18)が「カップin伊勢志摩」で輝いた。地元ブランドの「パールポーク」とポテトのコロッケを伊勢イモ、ヒジキを練り込んだパンで包んだ。地元調理関係に就職も決まり、山下さんは「ホントにうれしい」。笑顔を見守る井上ゆかり教諭は「フード授業の一環でした」と涙ぐんでいた。

 「戸田家」でプロの料理に満腹となり、露天風呂を楽しんだ。コンテストで入賞した斬新な料理が宿泊施設で味わえるようになれば、鳥羽の魅力はさらにアップしそうだ。

 ■旅のメモ

【伊勢志摩キャンペーン 美(うま)し国、まいろう。伊勢・鳥羽・志摩】来年3月31日まで、伊勢市、鳥羽市、志摩市でキャンペーン中。さまざまなイベントが展開されるが、民間企業との連携が特徴。キリンビールは「昔ッから、決まッとる」、中部ローソンは「美し国、まいローソン」がキャッチフレーズ。TEL0596・44・0800。

【ミキモト真珠島】近鉄鳥羽線、JR参宮線の鳥羽駅から徒歩約3分。真珠のすべてが分かる「真珠博物館」、「御木本幸吉記念館」など見どころ満載。「パールプラザ」ではパール・ジュエリーや島だけのオリジナル・ジュエリーなどがあり、海外観光客らに人気。大人1500円、小・中学生750円。団体割引有り。TEL0599・25・2028。

【鳥羽水族館】「ミキモト真珠島」から南へ徒歩約4分。国内有数の巨大水族館として知られる。館内に12ゾーンが設けられており、海獣部門は特に充実している。大人2400円、小・中学生1200円、幼児600円。団体割引有り。TEL0599・25・2555。

【アクセス・宿】近鉄特急で上本町~鳥羽駅間約2時間。「戸田家」は落ち着いた和室からの眺望、海の幸が魅力。TEL0599・25・2500。

富士スピードウェイ周辺の2市1町F1連絡会が日本GP評価アンケートを実施

12月18日15時8分配信 AUTOSPORT web

 御殿場市・裾野市・小山町で構成する『2市1町F1連絡会』では、2008年10月に富士スピードウェイで開催されたF1日本グランプリに関する評価アンケートの実施を始めた。

 このアンケートは、『2市1町F1連絡会』が今後の富士スピードウェイでの日本GP開催に当たって、来場するファンがより楽しく、快適にレースを観戦できるような環境を作るため、また地元の地域振興や経済効果を高めるための基礎資料として活用されるもの。2008年の日本GPを現地で観戦したファンが対象となっている。

 アンケートはインターネットを使って集められ、調査に協力した人には抽選で08年F1日本グランプリオリジナルグッズ、小山町・御殿場市・裾野市の温泉入浴券又は地場産品がプレゼントされる予定だ。アンケートは12月19日(金)の正午から回答を受け付け、2009年1月13日(月)まで実施される予定。

2008 F1日本グランプリ評価アンケート
http://www.fuji-oyama.jp/kakuka/11kikaku/LSF1-5.htm

春を待つ:岩手・宮城内陸地震、半年/中 「このままでは限界」 /宮城

12月18日13時1分配信 毎日新聞

 ◇生業奪われ、大打撃
 「このままでは限界が近い」「いつまでもボランティアの厚意に頼れない。地域で何かするにも財源は必要」
 今月10日、栗原市役所。大きな被害を受けた花山、栗駒地区の住民がそれぞれ組織した「花山震災復興の会がんばっぺ」「くりこま耕英震災復興の会」の代表が、佐藤勇市長に要望書を提出。長期避難者へのさらなる生活支援などを求めた。耕英復興の会の大場浩徳会長(48)は「生業を奪われた打撃は大きい。いつ戻れるか分からないという不安は深刻」と話した。
 半年がたち、被災者の生活再建が急務となる中、仕事を奪われたという現実が重くのしかかっている。
   ◇
 「年も年だし、今更新しい仕事は探せない。待つしかないと覚悟した」。花山・浅布地区で被災した大山幸義さん(56)は、職探しをあきらめた。
 温泉宿泊施設「温湯山荘」の副支配人だった。温湯山荘は地震で休業に追い込まれ、施設を運営する栗原市の第三セクター「ゆめぐり」から解雇の通告を受け、失業保険でしのいでいる。再開後の再雇用を信じて「今できることを」と、がんばっぺのまとめ役を引き受けた。
 温湯山荘の派遣社員だった長男(24)、国立花山青少年自然の家の調理師だった次男(20)も同時に失業。再就職は難航した。地元に思うような職はなく、次男は単身、仙台へ。長男は家族を案じて花山に残り、単発のアルバイトでわずかな収入を得ている。
 妻かずみさん(56)は「(山荘再開まで)どれだけ待てばいいのか分からない状況は精神的につらい。仕事がなければ花山に残りたい人も残れない。元々高齢者ばかりの地域なのに、地震のために、若い人が一層減りそうで不安」と表情を曇らせた。
 大山さんは「もっと厳しいのは、自営業や農業で、失業保険がない人たち。花山では、廃業して外に働きに出ざるを得なくなった人もいる」と指摘する。
   ◇
 耕英地区の農業、小野昌男さん(58)は、ふもとの稲屋敷地区のハウス4棟でイチゴの収穫に追われる。夏は耕英で花卉(かき)や高原大根とともにイチゴ種苗を育て、冬は稲屋敷でハウス栽培をして12年。耕英の冷涼な気候で苗が休眠し、冬の収穫が可能になる。被災して耕英での種苗育成ができず、納得いく出来栄えではない。「それでも、今できる仕事があるだけでありがたい」
 耕英地区の41世帯の多くは、イチゴや花、大根、イワナ養殖などの農林水産業で生計を立ててきた。冬の長い耕英で、畑が収穫期を迎える矢先の地震被害だった。夏から秋、週に数回の一時帰宅が許されても、自宅の修理や片づけよりも畑作業を優先して、できる限りの作物を育てた住民は多い。
 住民の中には、いらだちを隠さない人もいる。「崩れたり地盤が緩んだのは途中の道路。高原にある耕英に入れば何ともない。(避難指示・勧告で)滞在まで制限しているのは何の科学的根拠があるのか。今、耕英の生業を奪っているのは地震じゃなく、避難指示や通行規制だ」
 小野さんは「夏の野菜を収穫しながら冬の苗を育て、傍らで来年のための土壌を作り、1年先、2年先を見越して大地と向き合うのが農業。農家が1年仕事できなかったら2年分、3年分のロスが生まれる」と説明。「この焦りは、農家でねえと分からないかもしれない」とつぶやいた。【藤田祐子】
 ◇“見えない失業者”も--55人、今も求職
 岩手・宮城内陸地震の影響で、栗原市花山、栗駒の両地区で失業した人は市の推計で約100人。市内で4カ所の温泉施設を運営する第三セクター「ゆめぐり」の施設のうち「いこいの村栗駒」「ハイルザーム栗駒」「花山温泉温湯(ぬるゆ)山荘」の3カ所が休業に追い込まれ、従業員135人のうち社員、パート計88人が解雇されたことが大きい。
 ゆめぐりは栗原市の合併後、三セク4組織を統合して07年4月発足。市から委託された4施設の運営のほか、バス運行、ごみ収集などが主な業務だった。従業員の解雇について佐藤正則総支配人は「一時解雇の形を取ることで、すぐに雇用保険の給付が受けられ(被災した従業員の)生活も安定する。苦渋の判断だったが、3施設の運営収入は全体の7~8割を占めており、従業員にも非常事態と納得してもらった」と説明。「市の施設再開を信じたい」と語る。
 築館公共職業安定所によると、地震による新規求職者は85人、うち11月末までに就職が決まったのは、パートなどの臨時職を含めて29人。現在も55人が求職中で、うち失業保険を受けているのは48人という。再就職が進まない背景には▽45歳以上の求職者が3分の2以上を占める▽観光業に従事していた人が多く、同じ職種を希望するが求人は少ない▽地元での就職希望が多いが花山、栗駒の求人数は元々少ない――などの事情があるという。
 同安定所の担当者は「自営業者や農家は元々、雇用保険に加入しないため、事業が続けられなくなっても『失業者』とはみなされない。収入が途絶えた人はもっと多いだろう」と語る。
 栗原市の災害義援金配分委員会は10月、職を失った人に見舞金50万円を支給したが、農業従事者は対象にならなかった。栗駒、花山の復興の会は「設備投資などでローンを抱えている農家もいる。失業保険もない。離職者見舞金の対象に農業従事者も加えてほしい」と要望している。

大崎の女性教諭窃盗:県教委、免職の懲戒処分 /宮城

12月18日13時1分配信 毎日新聞

 温泉脱衣所にあった財布から現金を盗んだとして逮捕された公立中の女性教諭(32)に対し、県教委は17日、免職の懲戒処分を行ったと発表した。女性教諭は「ロッカーに鍵が掛かっておらず、お金を盗まれて苦い思いをすれば、今後用心するだろうと思った」と話しているという。
 女性教諭は10月、大崎市鳴子温泉の旅館で、別の客の財布から現金1万円を盗んだとして逮捕され、古川簡裁で罰金20万円の略式命令を受けた。
 県教委によると、女性教諭は「10年ほど前に、自分も温泉で財布を盗まれたことがあった」と説明。返すためにこの客を探したが見つからず、当日の夜、封筒に1万円を入れて旅館に郵送したという。【青木純】

温泉寺、国重文の本尊を来年4月から特別公開 長期間は開山初

12月18日9時19分配信 産経新聞

 志賀直哉の小説「城の崎にて」で知られる城崎温泉(兵庫県豊岡市)の温泉寺本堂にまつられ、「霊木伝説」のある本尊・木造十一面観音菩薩立像(国指定重要文化財)が、来年4月から2カ月間、特別公開される。長期公開は開山以来初という。

 同寺は同温泉を開いたといわれる道智上人が創建した古刹(こさつ)。像はヒノキ材を使った高さ約210センチの一木造。同寺では毎年4月の「開山忌」にだけ公開している。

 資料によると、平安時代中期、奈良の仏師・稽文(けいもん)が観音像を彫っていたところ中風を患い、未完成のまま城崎温泉へ治療に訪れた。その後、症状が回復し、温泉そばの円山川周辺を散歩中、奈良に置いていた未完の仏像が川に浮いているのを見つけ、近くの草庵に安置した。

 稽文は奈良に帰ろうとしたが、病気を再発。夜になって観世音菩薩が夢に現れ、「早く我を完成させよ」と告げたため、城崎温泉にとどまり、この像を一気に完成させたという。

 像は稽文が不在の奈良で疫病が流行り、住民が病気治癒を願って川に投げ入れたとされ、像は「一願成就」に御利益があるという。

 小川祐章副住職は「本尊の不思議ないわれに触れてもらえたら」と話している。

和田 3日間100キロマラソン完走!

12月18日7時0分配信 スポーツニッポン

 ソフトバンク・和田が、3日間かけて「100キロマラソン」を完走した。ともにWBC代表1次候補に選ばれた馬原とともに極限まで自身を追い込んだ左腕は「自信の裏付けがほしい。苦しいときに“あれだけやった”というものがあると違う。去年はそれがなかった」と、大粒の汗を流しながら話した。

 15日午前9時。福岡県前原市から100キロマラソンはスタートした。初日は佐賀県古湯温泉での休憩を挟み、同県の武雄温泉まで約27キロを走破。2日目は武雄市役所から山道をかけた。途中で約1時間、迷子になるアクシデントに見舞われながら、有田町では陶芸にも挑戦。嬉野温泉まで、フルマラソン並みの42キロを1日で移動した。この日は長崎県波佐見町を通過して午後4時、ゴール地点に設定していた同県佐世保市の「城島健司ベースボール記念館」に倒れ込むように到着。休館日だったという“オチ”までついた。

 WBC第1次候補メンバーが発表された15日から始まった3日間。「(最終的に)選ばれた28人で金メダルを獲りにいくことが大切」と話す和田。過酷な経験は世界の舞台でも生きるはずだ。

地道な研究で「特産品」続々

福岡県庁には工業技術センターという組織があって、産業振興や次世代産業の育成に向けて日々、研究や開発に取り組んでいます。

実は、地道な裏方の公務員さんの研究成果を元に、今、福岡県産の新たな商品が次々と生まれているんです。

今年9月、これまでにない高さ1.3メートルを誇る巨大な博多人形が披露されました。

博多人形は、焼き上げる際の縮み具合が激しく大きければ大きいほど、ヒビが入りやすくなるため、これまで1メートルを超えるような人形の製作は実現しませんでした。

この難問を解決しようと、粘土の研究に取り組んだのが、福岡県の工業技術センターでした。

技術センターでは、縮みの原因となる「粘土鉱物」の割合が高かった博多人形の粘土に、粘土鉱物が少ない別の粘土を配合したのです。

伝統と技術が結びついてできた大きな博多人形。

県内では他にも技術センターの研究と結びついた新たな特産品も生み出されています。

久留米市では地元の農家と技術センターが協力し、健康食として注目を集めるヤーコンの栽培を研究、現在、地元の物産館ではヤーコン茶や、ヤーコン入りの黒棒が販売されています。

そして今、新たに取り組まれているのが、筑後市の船小屋温泉から湧き出る鉱泉を使って木材を着色する研究です。

この研究を依頼したのは佐賀県上峰町のデザイナー・関光信也さんです。

家具製品の色づけで、化学物質などの有機塗料による着色が主流となるなか、環境に優しい着色方法を探していた関光さんはある時、鉄分と木の成分が反応して木の色が変色することを知りました。

関光さんは、この着色方法による研究をすすめて欲しいと、大川市にある技術センターのインテリア研究所に相談を持ちかけました。

研究員の古賀さんは、筑後市にある船小屋温泉の鉱泉に鉄分が多く含まれていることを思いつき、この鉱泉水を使った研究をはじめたのです。

鉱泉を管理する筑後市も研究に期待を寄せています。

木材は鉱泉に含まれる鉄分と木に含まれるタンニンが反応して変色します。

古賀さんはこれまでに、15種類の木材を使って研究をすすめていますが、そのうちおよそ7割の木材で発色したということです。

関光さんが試作した鉱泉染めのテーブルを使っている友人デザイナーの評判も上々のようです。

さらに関光さんと古賀さんは、高級材として知られる神代杉に似た色合いも出せる、この着色方法を大川の家具に取り入れられないかと考え、地元の製作所と実現に向けた取り組みを進めています。

現在、福岡市内の工房では博多人形師・川崎幸子さんが二体目となる巨大博多人形の制作に取り掛かっています。

技術センターの二体目のテーマは塗装です。

博多人形は触ると色落ちする上、汚れを拭き取ることができないため通常はガラスケースで保護されています。

センターでは手で触れても色落ちしない塗装技術の研究に取り組んでいます。

最先端の技術研究とともに、次はどんなものが誕生するのか期待は膨らむばかりです。

[17日20時18分更新]

RKB

見えないところにまで遊び心を──WIN最薄最軽量の防水端末「W65K」に込めた思い

12月18日13時46分配信 +D Mobile

 auの2008年秋冬モデルの中で、唯一IPX5/IPX7相当の防水性能を備えた“お風呂ワンセグ”端末が京セラの「W65K」だ。防水WIN端末としては最薄・最軽量を実現したボディは、一見しただけでは防水端末には見えないほどコンパクト。さらに、ボディカラーごとに異なる背面デザインを施している点も目を引く。しかもこれは、京セラとしては初めて手がけた防水WIN端末だというのだから驚きだ。

 デザイン的な魅力があるのはもちろん、機能面でも基本をしっかり押さえた使いやすさを備えている。ワンセグやおサイフケータイ(EZ FeliCa)といった、普段使いに必須の機能はしっかり搭載。ワンセグは予約録画機能やバックグラウンド録画機能なども備え、番組のジャンルに合わせて画質を調整してくれるなど、上位機種にも引けを取らない使い勝手を実現した。さらに、待受画面でダイヤルキーの操作をすると、電話をかけるだけでなくメモの作成やインターネット検索ができる「すぐ文字」、ほかの機能と併用すると、画面上に進捗を表示できる「カウントダウンタイマー」など、独自の機能も用意している。

 この、一見カジュアルながらしっかりと作り込まれているW65Kに込めた思いを、移動体通信機器第一統括事業部 移動体第一技術部端末第3技術部 機構開発1課 責任者の大和田靖彦氏、通信機器関連事業本部 マーケティング部 マーケティング課 PM2係 責任者の若狭哲史氏と、通信機器関連事業本部 マーケティング部 商品戦略部 デザイン課 デザイン1係の光永直喜氏に聞いた。

●防水を実現しつつ、必要な機能はすべて用意した

── 今回、W65Kを開発するに当たって、もっとも重視したポイントはどこですか?

若狭氏哲史氏(以下若狭氏) 一番こだわった部分は防水性能とサイズ感の両立です。ユーザーがケータイに何を求めているのか調査をした結果、最も重視されていたのは防水機能だったのですが、それに付随する要素としてサイズ感が非常に重要であることが分かりました。まずサイズ感に対する要望(大きすぎないこと、操作しやすいこと)が先にあり、その後に機能がフルに使えるかどうか、といった機能に対する要望がありました。

 今までの防水モデルは、サイズの小ささやボディの軽さを求めると、ワンセグのような当たり前の機能がない、といったことがありました。また一方で、すべての機能を搭載したモデルでは、今度は分厚かったり重かったりしました。京セラとしては、使い易いサイズ感で機能をキッチリと入れるということにこだわっていましたので、今回は防水を実現しつつ、しっかりとバランスのとれた端末に仕上げられたと思います。

── W65Kは、京セラとしては初めての防水端末だそうですね。おそらくいろいろな挑戦があったのだと思いますが、それでいてこのサイズ感やデザインが実現できた点には驚きました。

若狭氏 そうですね。W65Kは京セラでは初の防水端末になります。

大和田靖彦氏(以下大和田氏) auの防水端末には、「大きい」「厚い」というイメージが強いように思います。その中で京セラとしては、初めての挑戦ではあっても「え? これ防水ケータイなの?」とユーザーに思っていただけるような端末を作りたいという思いがありました。

 W65Kは、進化の系譜としては「W53K」の後継に位置づけられます。2006年にリリースした薄型WIN端末「W44K」があり、それが2007年に薄型のままワンセグが付いたW53Kとなって、それが今回さらに進化してFeliCaと防水機能が付いたW65Kになったわけです。実は私はW44Kのころからずっとこのシリーズの開発に携わっていて、“スリム端末の進化”の末に、今回の「スリムワンセグ防水」という領域にたどり着けたのはよかったと思います。ただ、ここまでのものに仕上げるのはなかなか大変でした。

 ボディは、単純に機能を積み上げていっただけではどうしても厚くなってしまいます。そこでディスプレイやバッテリーといったモジュール単位で小型・薄型のものを探し、薄くする工夫をしました。特にこの厚さを実現するのに大きな役割を果たしたのが、3.7ボルト 680mAhのバッテリーです。バッテリー容量が小さいと通話時間や待受時間、ワンセグの連続視聴時間などが短くなるのではないかと皆さんに不安視されますが、そこは通常のバッテリーと比べても遜色ないように、省電力化などの工夫により従来と同等の使用時間を達成しました。この点では、ハードウェアの設計の方に苦労を掛けました。

 防水の面でも、やはりIPX5とIPX7という規格は必ずクリアしなければいけないということで、社内的にもきちんとスペックを決め、今回のために水槽なども新たに用意してテストをしました。さまざまな利用シーンを想定し、落下試験や高温試験なども行っています。

── 116グラムという重量も、防水端末としては軽いですね。

若狭氏 W65Kの重量は、他社の薄型防水ケータイよりもさらに10グラム以上軽いです。携帯電話としてかなり使いやすく、バランスのいい重さになっているのではないかと思います。重さは防水ワンセグ端末の中で最も軽いと思います。

大和田氏 もともと京セラは、ストレート端末全盛の時代から端末の軽量化には実績があるメーカーです。開発チームの中でも当たり前というか、自然と軽量化するのが身に付いてしまっているんでしょうね。重量を測ったら116グラムしかなくて驚いたというエピソードもあります(笑)。

若狭氏 あまり極端に薄くはせずに、一定の使いやすい厚さを確保しつつ、そこにいろいろと機能を入れていこうというのがW44K以来のコンセプトなので、今回はきっちりとワンセグや防水というものを入れた中で、使いやすいサイズ感というものを実現できたと思います。

── W44Kが発売されたころに、開発者の方から「あまりに薄すぎるとそれはそれで使いにくい」といったお話を伺った事があります。今回も厚さは15ミリ台に収めたわけですが、防水端末で実現するというのは凄いですね。

大和田氏 ベストスリムゾーンですね(笑)。あまり薄すぎたり軽すぎたりしても、オモチャみたいな感覚だという方もいらっしゃいますし、“本当に使いやすいところ”を見極めるのは難しいんです。

若狭氏 防水である点をいかにユーザーにアピールするか、という点も悩んだポイントです。一番分かりやすい例は、店頭に展示するモックアップに防水であることを示すシールを貼ることなのですが、今回はそれに加えて、もう少し利用シーンをイメージしやすいように、プロモーション用のWebドラマを制作しました。それをCMや店頭で流す事で、分かりやすさやイメージのしやすさを意識しています。

 WebドラマはW65Kの3つのデザインに合わせた世界観で制作しています。例えばホワイトではキッチンで料理を作っている時に濡れた手で着信を受けてメールを見たり、シルバーでは雨の中で端末が濡れてしまうシーンがあったり、日常よくあるシーンの中で、ケータイをこういう風に使っても大丈夫なんだよというのが自然に伝わり、端末の魅力が引き出せるように配慮しました。

 魅力的な防水端末を作ろうとすると、どんどん防水端末に見えなくなっていくというジレンマもあります。今回は、その点はプロモーションによってカバーしています。

── “お風呂でワンセグ”というコンセプトもあるようですが、お風呂って案外ワンセグが入りにくかったりしますよね。そのあたりは何か工夫がありますか?

大和田氏 実はお風呂場というのは、ワンセグを視聴するのに適した場所とはいいにくいのが問題でした。マンションなどでは、建物の奥の方にあることも多く、窓があったりして電波が入りやすい環境であることはむしろ珍しいんです。でも、湯船に浸かりながら、ワンセグの電波を探して腕を上に挙げて探すようではダメだろうと考えました。ですから、一般的な家のお風呂で観る分には満足できる性能を出せるように、ホイップアンテナは3段まで伸ばせるようにして、ワンセグの感度がしっかり取れるようにしています。

●“遊び心”のある端末を目指した3つのバリエーション

── 端末をデザインしたときのコンセプトを教えてください

光永直喜氏(以下光永氏) 今回のデザインは、女性をターゲットにしているのですが、若い女性の方にはさまざまな趣味嗜好の方がいらっしゃいます。服やアクセサリーも、必ずしもシンプルなものを求めているのではなく、いろいろなスタイルやファッションをしています。そういった幅広い嗜好を持った女性に合わせ、今回あえて3つのカラーバリエーションごとに背面の金型を全て新規で起こすという形にしました。

 それぞれのカラーバリエーションごとにコンセプトがあります。クレールホワイトはシンプル嗜好の女性に向けたクリーンなデザインです。フルールピンクは幻想的というか、カラフルなファッションが好きだったり、可愛らしいものが好きな女性を対象にしていて、花柄などの植物をイメージした彫り込みを用意しました。よくサイフやカバンなどでもこういった手法が見受けられますが、そこを意識しています。リュクスシルバーはゴージャスな大人の雰囲気の女性をターゲットにして、高輝度な質感というものを表現しています。

 京セラ端末でご好評いただいている「インフォメーションキー」は、使いやすさを向上させつつ、キーやサブディスプレイ周りの質感を、3種類それぞれ全く違う手法で表現しています。ピンクは透明感と高輝度の質感、シルバーは金属のギラッとした質感、ホワイトは裏から光が浮かび上がるような処理を施し、端末のイメージに合わせてアレンジしています。

── スペックを見ていて、なぜこんなに厚さが違うのか不思議に思ったんですが、ここまで加工が違うと厚さも当然変わってきますね。

若狭氏 そうですね。リュクスシルバーの端末はかなりスクウェアな印象になっていて、そのほかの端末は少し丸みを持たせています。凹凸だけでなく、端末全体の印象もかなり違っていると思います。

 リュクスシルバーのように、これだけ凹凸を付けたデザインの端末はほかにないんじゃないかと思います。今回CMやWebドラマなどを、端末ごとにシーンを分けて撮影しているんですが、このリュクスシルバーの端末のシーンは少し照明を落として暗めで撮影することが多く、その際にこの凹凸の形状が上手く光を拾っていて、かなりキラキラとした表情を見せてくれています。他のデザインとは対照的な作りです。

── ダイヤルキーの文字もカラーバリエーションごとに違いますね。

光永氏 今回カラーバリエーションごとに端末のイメージに合わせ、キートップのフォントからキーのデザインまで変えています。クレールホワイトに関しては背面がシンプルなので、少しキーに遊び心を加える事で、楽しい雰囲気を出しました。背面もキー面もシンプルだと、少しもの足りないかなぁと思いまして。フルールピンクとリュクスシルバーは、逆に背面が激しい印象なので、中は比較的落ち着いたイメージに仕上げています。

 ただ、3つのバリエーションともにキーの押しやすさなどに配慮し、キーの出っ張りなどは通常のシートキーに比べて少しだけ高く出していて、キーの面積も比較的大きく取っています。クレールホワイトに関しては隣り合うキーの形が若干違うなど、ブラインドタッチする時の使い安さを考えた新しい試みも入れつつ、グラフィック的な面白さを出しています。クレールホワイトはほかにも、ダイヤルキー面に水の波紋のようなグラフィックが入っています。強く主張するものではありませんが、気付くと少し遊び心があるような、そういった仕上げにしています。

── そういった“遊び心”という部分は、ユーザーに端末を長く使ってもらうためのポイントとなるのでしょうか。

若狭氏 20代の女性は、デザインの中に何かが隠れているとか、少し楽しいところなどに惹かれる要素が多いという話を聞きます。ですから今回はそこを意識しています。例えばお風呂というと、典型的なシーンとしてアヒルのオモチャなどを連想しませんか。そういった遊び心をどこかに隠せないかなぁと思い、今回ワンセグアンテナの先に小さなアヒルを隠していたりします。

── これは言われないと気が付きませんね。もしかしたらずっと気付かない人もいるかも知れません。

若狭氏 言われないと気付かない部分ですが、知っている人は知っているという(笑)。例えば2年間使っていく中で探し出していただくくらいの、人に言われないと分からないような細かな遊び心をいろいろ入れて、飽きさせない工夫というのをしていければと思っています。

 長く使っていただくという部分は、最近の携帯電話では大きなポイントになっていると思います。防水機能についても、お風呂の中で使えるというプラスの用途もあれば、雨の日に壊れにくい、水没などの事故が減るといった点で、長く使うのにいい機能かな、とも思います。ちょっとした汚れであれば水で洗い流すこともできます。そういった面でも防水はこれから先必要になってくる機能だと思います。

 フルールピンクのデザインも、表の彫刻は植物のデザインという話をしましたが、実はその中に動物が紛れていたりとか、実際パッと見て気付かれなくても、言われてみると実は……というものを探していただくのも、遊び心につながるのかな、と思っています。

●キー入力後にアクションが選べる──すぐ文字機能は自信の機能

── W65Kならではの機能というのは、どんなものがありますか。

若狭氏 新しい機能としては、「すぐ文字機能」がありますね。待受画面で何かを入力すると、電話をかけるだけでなく、その入力内容を「ペタメモ」にしたり、インターネットで検索したりできます。京セラオリジナルの機能ですが、auや販売店での反応は非常によかったです。

 実際に携帯電話の利用シーンを考えた時、毎日便利に使える機能があった方が嬉しいのかなぁという思いからすぐ文字機能は生まれました。入力してからアクションを選べるのは、なかなか便利だと思います。

 またカメラ機能の起動時や保存時のパフォーマンスも、従来よりも向上しています。オートフォーカスのピントが合う速度も上がっていますので、かなり軽快に撮影ができるのではないでしょうか。カメラの画質以上に、使い勝手の面で大幅に改善しています。

── プリインストールのコンテンツなどにもオリジナルのものがあったりしますか?

若狭氏 先程お話ししましたWebドラマの主題歌が、河口恭吾さんの「未来色プロポーズ」という曲なのですが、W65Kの購入者特典として、そのアコースティックバージョンがダウンロードできるようになっています。これはW65Kのユーザーしかダウンロードできない特別版で、現在の着うたに加えて着うたフルでの提供も考えています。

── 最後に、W65Kの開発にまつわる思い出深いエピソードなどがあれば教えて下さい。

大和田氏 やはり外観にバリエーションを付けるのは大変でした。全てのバリエーションで防水機能を持たせなければいけなかったので、よくぞこれだけの期間で3種類も作ったなぁという感じです。

光永氏 私も端末を3つデザインするのに近いような作業だったのが大変でした。また“全然違うものを1つのものとして見せる”というところも結構大変で、その辺りをどういうコンセプトでどのような見せ方をしていくのかをしっかり考える必要があり、なかなか難しかったです。あとは“防水なんだけど防水らしくない”、あくまでもデザインとしてスッキリと見せたいというところがありましたので、技術の方とは表にネジが出ないよう配置などを工夫してもらいながら、できる限りのところで議論を詰めながらやれたのが大きかったかな、と思います。

若狭氏 正直ほぼ全ての部分に思い入れは強いのですが、強いて挙げるとすれば「すぐ文字機能」です。京セラ内には、現在技術とマーケティングで部門横断的な“使い勝手に関するプロジェクト”があって、あれこれアイデアを出しているのですが、すぐ文字機能は私のいるグループの中から出た企画なんです。それを自分が担当しているモデルに搭載することができたというのがうれしかったですね。いろいろな方に評価されている機能なので、それがユーザーの満足につながればいいな、と思っています。

 京セラとしては初めての防水端末の開発だったが、防水は薄型軽量で人気を博したW44Kからの正常進化を続けてたどり着いた、いわば“必然”と言える機能だったようだ。メインターゲットは女性とのことだったが、クレールホワイトやリュクスシルバーは男性が持っても違和感のない色合い。厚すぎず、薄すぎない、ほどよいサイズ感でワンセグやFeliCaなど必要な機能を備えたW65Kは、コンパクトな防水ケータイを求めていたユーザーに、改めて目を向けてもらいたいモデルだ。