デフレ大不況 いまこそ「100年に1度の対策を」

1月13日8時32分配信 フジサンケイ ビジネスアイ

 ■政府紙幣発行で通貨供給量増やせ

 ■相続税免除の無利子国債発行せよ

 ■円建て米国債引き受け、円を国際化

 世界は「100年に1度」のデフレ大不況に突入寸前。「本当にどこが底なのか確信を持てない」(日本自動車工業会の青木哲会長)。生産も輸出も雇用も、物価そして所得も消費も、すべてらせん状に下降するという恐れが日を追うごとに募る。「定額給付金」などちまちました景気対策では列島を覆う不安を解消できるはずがない。発想と政策の大転換だ。デフレ下では民間のカネの流れが凍りつく。金融市場にまかせっきりではヒトもモノも動かない。ならば政府の手で金(かね)を融かすのが決め手になる。政府は日銀に代わって紙幣を発行し、マネーのバイパスをつくる。相続税免除条件付き無利子国債を発行し、預金通帳ごとたんすに眠るままの円を公共財源に振り向ける。オバマ次期米政権からは円建て米国債を引き受け、大々的な米国の新規まき直し政策を支援し、あわせて円の国際パワーを高め、ピンチを好機に変える戦略を打ち出す。(産経新聞編集委員 田村秀男)

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 日銀券とは別に、政府がお札を刷る政府紙幣とは耳慣れないかもしれないが、政府(財務省)がよく発行する記念硬貨の代わりと思えばよい。記念金貨とは違い、発行費用は紙と印刷代で済むから、政府は財政赤字を増やさずに巨額の発行益を財源にすることができる。

 まるで政府が「打ち出の小づち」を振るような話だが、きちんとした経済理論的根拠もある。物価が下がり続けるデフレとは、モノやヒトの労働の量がおカネに比べて過剰なのだから、おカネの供給量を増やせばよい。

 米国の中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)のバーナンキ議長はデフレのときはお札を大量に刷ってヘリコプターからばらまけばよい、とFRB理事時代にぶったことがあるが、この「ヘリコプター・マネー」論は1930年代のデフレ大恐慌の教訓を徹底的に研究したシカゴ大学の故フリードマン教授が提唱し、学派を超えて何人かの米ノーベル経済学賞受賞者が賛同している。FRBは今回の金融危機に際し、不良金融資産までも買い上げ、ドル資金を無制限に供給する政策に踏み切った。

 日本でも日銀が日銀券発行など「量的緩和」などにより大々的な円資金供給に踏み切ればよいが、平時の感覚から抜け出られない日銀内部には円の信認がそこなわれるとの反対論も根強く、機動的な対応ができない。

 日銀券に比べ政府紙幣には政治主導という利点がある。政策目的に応じて政府紙幣による財源を充当できる。大々的な給付金にしてばらまくことで個人消費を喚起するのも一案。失業者対策など社会保障財源に回す、さらに民間の新環境プロジェクトを補助し、日本版「グリーン・ニューディール」を推進するのも手だ。

 もちろん、政府紙幣発行額には限度もある。高橋洋一東洋大学教授は財務官僚時代から政府紙幣を研究してきたが、政府紙幣発行適正規模を「25兆円」とみている。

 需要を喚起するためには、なかなか消費に回らない民間の金融資産を動員することも必要だ。そのために国債を発行するわけだが、国内総生産の1.5倍に上る政府の累積赤字を増やすわけにはいかない。

 そこで浮上している案が相続税免除条件付き無利子国債である。日本の個人金融資産は2007年末で1500兆円、このうち現預金は約半分、780兆円もある。個人は急落する株式を嫌って、金利がなくてもたんすに現金を留め置いたり、超低金利の預金で我慢したりしている。

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 これらの預金者のうち、相続税負担を気に病んでいる高齢者などに無利子国債を買ってもらい、相続税を免除する。この財源を政府紙幣発行財源と合わせると、政府は大規模な経済総合戦略を実行できるようになる。

 景気が浮揚すれば、税収も増えるが、政府の相続税収入は年間で1兆2000億円に上る。それを補い有り余るだけの税収増に結びつく景気刺激策を考案する必要もあるだろう。

 米国の金融バブル崩壊の結末は結局グローバルなデフレ恐慌であり、09年にさらに進行する情勢だ。米国で発行され、世界にばらまかれた巨額の金融商品は、借金しては消費する米国消費者の財源になっていた。それが消滅したのだから、世界の実体経済に大津波となり襲いかかる。中国では出稼ぎ農民など2000万人以上の労働者が輸出産業での職を失いつつあるし、日本でも最優良企業のトヨタ自動車までも営業赤字に転落、自動車産業を中心に3月までに8万5000人の非正規雇用者が失職する。昨年1年間では米国では285万人、欧州でも110万人が失業した。

 地球上のカネの流れが凍りつき企業はカネを使えず、消費者はカネを手放さない。物価は下がり生産も消費も縮小、所得も雇用も消え去る。

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 今回のデフレはこのように金融現象に始まり、金融の世界が病状をさらに悪化させるのだから、金融面でかつてない次元の政策に切り替えるのは当然だ。

 米国はバーナンキFRB議長、さらにオバマ次期政権でもやはり大統領経済諮問委員会(CEA)委員長になるローマー・カリフォルニア大学バークレー校教授がいずれも大恐慌の権威であり、デフレ対策を意識した政策を金融と財政の両面で打ち出してくる。日本もこれに呼応して、発想を大転換し、米国と足並みをそろえるべきだろう。

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 オバマ氏は最近のインタビューで財政赤字にこだわらず財政支出を増やすと言明している。その場合、米国の赤字国債を含む国債発行額は例年の4倍の2兆ドルに達する見通しで、市場ではドルや米国債の先行きに不安が日々高まっている。

 貯蓄大国日本は内向きにばかりならず、米国の経済再生も考慮に入れる必要がある。そこで、政府紙幣発行と相続税免除条件付き無利子国債の大量発行と並んで、円建て米国債の引き受けも視野に入ってくる。

 日本の民間が米国債を引き受けようにも、ドルが急落不安を抱えている限り、日本の金融機関も機関投資家も個人も、米国債購入にためらう。為替リスク不安が強いためだ。その点、円建て米国債は為替リスクを米国側が負うことになる。

 米国債の利回りは、円建てでも、日本国債よりも高く設定される可能性があり、日本の投資家は米国債を選ぶ可能性がある。その場合、日本国債の売れ行きに響くという恐れを財務官僚は抱くが、だからこそ相続税対策など、新たな魅力を日本国債に付与する必要がある。

 円建て米国債は世界の投資家にも買われるだろうし、日本企業と取引する世界の企業は決済通貨として円資産を増やせる。その結果、円の国際化が促進されるきっかけにもなる。こうした一連の円をめぐる財政・金融面での思い切った政策転換は、グローバル金融危機、世界デフレ不況という異次元の世界に入っているからこそ可能で、この際、逡巡している場合ではないだろう。

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 ≪効果とインフレリスク、表裏一体≫

 【政府紙幣】元財務官僚の高橋洋一東洋大学経済学部教授は「政府紙幣も通常の日銀券と同じように取り扱えばいい。返済期限も金利もないので、政府の債務にはならない」と、政府紙幣の利点を挙げる。

 ただ、政府紙幣発行の効果とリスクは表裏一体の関係といえる。適正な発行規模を見誤るとインフレを招きかねないからだ。日銀は2006年3月に量的緩和政策を解除したが、高橋氏は「それ以降、お金の量は約30兆円減っているので、25兆円ぐらいの政府紙幣を刷ってもいい」との見解だ。インフレ動向に注意を払い、「一定のインフレ水準を超えるようならば発行をやめればいい」という。

 政府紙幣発行は政府の財源調達にあたり、使途はさまざまだが、高橋氏は「最もフェアな方法は定額給付金のように国民に配ること。25兆円ならおよそ1人に20万円が行き渡る計算になる」と提言する。

 日本がデフレ不況に襲われていた04年には、財務省財務総合政策研究所でも政府紙幣発行にまつわるリポートをまとめた経緯がある。高橋氏は「当時は日本だけがデフレ不況で、輸出産業の頑張りなどでそれも解消されたが、今は世界的な不況。氷風呂に漬かった日本経済に100度の熱湯を注ぎ込むのが政府紙幣の発行だ」としている。

 【相続税免除付き無利子国債】大和総研の鈴木準主任研究員は「景気が回復し、犠牲にする相続税収入以上の税収増加につながることが見込めるのであれば効果は高い」と指摘する。

 ただ、「相続税という安定的な収入を失う方が、国にとって損失は大きい」との指摘も市場にはある。

 一方、投資家側からすれば、国債の運用益以上に、相続税を払わないことにメリットがなければ、購入することは難しい。「そもそも相続税の発生が予測しにくいのに加えて、どのような資産に位置づけたらいいのかわかりにくい商品」(鈴木氏)との意見もある。

 過去、フランスでは第二次大戦後2回にわたり、戦費調達のため相続税非課税の無利子国債が発行された。ただ、相続の寸前に財産を無利子国債に変え、相続後に売却し、他の資産を購入する行動が横行。結果的に、無利子国債はその後廃止された経緯がある。

 仮に無利子国債を発行した場合に、金融市場での日本の信用が失墜する可能性もある。「日本は国債に金利が払えないほど、財政的に厳しいのか」という見方をされるおそれがあるためだ。日本ではこれまでも議論に上っては消えてきた無利子国債だが、未曾有の金融危機の中、効果とデメリットの検証も含め活発な議論が期待される。

東京見聞録:皇居1周マラソン 空手家の遠藤さん、「心の問題」抱える人支援 /東京

1月15日11時1分配信 毎日新聞

 引きこもりやうつ病など「心の問題」を抱える人たちに、運動やランニングを通して“自信”を回復してもらおうと奮闘する空手家がいる。ストレスを発散し、体力がつけば道が開ける可能性があるという。毎日新聞社(千代田区)の窓からは、皇居の周りを走る市民ランナーがひっきりなしに見える。急増するランナー向けに周辺には専用施設もオープン。そんな環境を利用して、心の問題を抱えた人を対象にした皇居1周イベントが開かれた。【前谷宏】
 ◇体力つけば自信が回復
 都心で初雪が舞った寒空から一転、冬晴れに恵まれた10日午後2時半。JR神田駅に、引きこもりや「ニート(学生でなく、働いてもおらず職業訓練も受けていない人)」体験を持つ人や、その支援をする人など約30人が集まった。
 まず向かったのは、皇居近くにある銭湯。脱衣場で着替えて荷物をロッカーに預ける。走り慣れている人が少ないため、ジャージーやトレーナー、半袖シャツなど格好は皆ばらばら。私(記者)も取材前にあわてて上野のアメ横で買ってきたウインドブレーカーに身を包んだ。
 出発は気象庁前の広場。全員そろって準備体操をした後、「スタート」のかけ声とともに一斉に走り出した。出発前は皆、「完走できるかな」と不安そうにしていたのにペースが速い。竹橋を越えて上り坂にさしかかったところで、私の両足は悲鳴を上げ始めた。
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 今回のイベントは「走れひっきー! 皇居1周マラソン」と題して開催された。空手家兼ライターの遠藤一さん(29)=北区在住=が主催した。遠藤さん自身も引きこもりだった。高校卒業後、「働きたくない」と自室に閉じこもり、ひたすらビデオやマンガに明け暮れる日々。自傷行為を繰り返し、今でも体中に傷跡が残っている。
 そんな遠藤さんが自室を出るようになったのは、知人の勧めで空手を始めてから。体力がつくと、失っていた自信を回復することにもつながる。試合に出るようになると、「空手の費用ぐらい自分で稼がないと」と働き始めた。
 一昨年からは自身の経験を伝えようと、「レンタル空手家」と称し、引きこもりの部屋へ出向いて空手指導を始めた。「引きこもりは自分を責め続けている。いきなりその生活を否定して『外へ出て働け』と言っても効果はない。まず体を動かす方が自信になるし、対話を始めるきっかけにもなる」と話す。
 皇居1周マラソンを始めたのも同じ理由からだ。「マイナーな競技の空手より、走る方が取っつきやすいはず」。昨年1月に続き、今回は2回目の開催。前回に比べ、参加者は倍近くに増えた。
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 実際に走ってみると、その効果を体験できた。スタートから半周近く、半蔵門を越えて今度は下り坂へ。芝生に覆われたお堀の向こうに霞が関の官庁街が広がる。西日に照らされた美しい景色に疲れも吹き飛ぶ。多くのランナーに抜かれながらも桜田門、坂下門を一気に過ぎて、ゴールへ。40分ほどかかったが、終わってみると5キロほどの道のりはあっという間だった。「また走ろう」と思った。
 他の参加者も似た感想だった。私よりも先にゴールした男性(24)は「正直、疲れた」と話しながらも、笑顔。大学院を中退した後、「ニート」だった。昨年末から日雇いのアルバイトを始め、今はやっと「フリーター」。「スポーツはしばらくやっていなかったけど、いい気分転換になった」と明るい表情で話した。
 今回の皇居1周マラソンは、順位やタイムは関係なし。それぞれが自分のペースを守って全員が無事完走した。汗が乾き、体が冷えてきたところで再び銭湯へ。熱い湯船につかったところで誰かが言った。「ビール、飲みたい」。思わずのどがゴクリと鳴った。
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 ■メモ
 ◇マンツーマンで指導
 「レンタル空手家」こと遠藤一さんの出張けいこは1回1時間半で、3000円から。引きこもり状態にある人やうつ病などを抱える人などが対象。家の庭や公園でマンツーマンで指導する。いきなりミットに向けてパンチやキックを繰り出してストレス発散するも良し、基礎から体力づくりをするのも良し。希望に応じた指導をしてくれる。問い合わせは遠藤さんのメール(forfuture1979@gmail.com)へ。

「西尾おでん」いける! 商議所が試食会

1月14日11時41分配信 中日新聞

 西尾商工会議所は13日、地元産の豆みそや白じょうゆを使った「西尾おでん」の試食会を西尾市内の飲食店で開いた。16日から市内の飲食店やスーパー銭湯など4店で一斉に売り出す。
 豆みそで味付けした「赤おでん」と白じょうゆを使った「白おでん」が基本。ダイコンや卵、こんにゃくなどを煮込んだり、くし揚げにしてみそだれや塩などをかけたりして味わう。
 4店がそれぞれオリジナルのメニューを考案した。
 西尾市産の抹茶や一色町産のえびせんべいの粉末を振りかけるなど斬新なトッピングも。えびせんべいを加えたはんぺんも使った。参加者は、赤おでんのこくのある味や、白おでんのさっぱりとした味を堪能した。
 同会議所が2007年度に開発した「西尾スイーツ」に続く新名物の第2弾。
 日本商工会議所の小規模事業者全国展開支援事業の支援を受け、実行委員会が取り組んできた。
 鳥山欽示委員長は「西尾の地場産品を使って、地産地消に一役買うことができれば。参加店を増やしたい」と話した。
 (広中康晴)

<サル温泉>たまらぬ、この湯かげん 次々に飛び込み-京都市動物園

1月13日15時32分配信 毎日新聞

 京都市左京区の京都市動物園で12日、アカゲザルのサル島にあるプールにお湯を張った「サル温泉」が登場した。

 動物園近くの市立岡崎中の生徒が「動物園活性化のために、温泉を掘ったらいいのでは」と発案し、地元の銭湯の組合「府公衆浴場業生活衛生同業組合左京支部」などの協力で07年に実現。今年で3年目となる。

 ホースから勢いよくお湯が出ると、サルたちは一斉にプールに注目。初めは周囲を歩いたりプールサイド脇でお湯をなめていただけだったが、飼育員がお湯に餌を投げ入れると、次々に飛び込み泳ぎ回っていた。

 滋賀県守山市から家族で遊びに来た浜田蓮太君(5)は「サルと一緒に温泉に入ってみたい」と笑顔だった。

 今月のサル温泉はこの日限り。2月11日、もう一度登場する。【広瀬登】

心ぬくむ「ときわ湯」廃業危機 糸満で57年交流の場に

1月13日14時50分配信 琉球新報

 「久しぶりだね」「寒くなってきたら湯船が一番」―。1952年に創業し、日本最南端の老舗銭湯ときわ湯(糸満市糸満)を切り盛りする兼島景助さん(93)=糸満市=と、なじみ客が温かい会話を交わす。戦後は沖縄に300軒ほどあったといわれる銭湯だが、保健所で確認しているのは現在6軒。57年の歴史を誇るときわ湯も、今年から始まる区画整理で廃業の瀬戸際にある。利用者からは地域の交流の場がなくなると惜しみ、存続を願う声も上がっている。
 ときわ湯には、家に風呂がある人も「ゆんたく」したさに朝から集まる。家庭的な雰囲気と地下からくみ上げる水質の良さを目当てに中城村から車で通う客もいるほど。
 40年近くときわ湯に通う上原ヨシさん(82)=糸満市=は「家にお風呂はあるが、一人で入るのは危ないのでここに来る。銭湯に来ると兼島さんやたくさんの友達とゆんたくできうれしい」と話す。
 開店準備でボイラーに火を入れるのが兼島さんの1日の仕事の始まり。午前10時から番台に座り、空いた時間に薪(まき)用の廃材を切り分ける作業を、定休日の月曜以外は欠かさず行う。
 ときわ湯は、前代表で兼島さんの義兄照屋孚栄さんが64年に亡くなった際、兼島さんが買い取り、県外に行っていた6人の子どもたちの協力で支払った。長男景一さん(67)=東京都=は、明治大学在学中に沖縄から送られたチョコレートや缶詰をアメ横の路上で販売し支払いに充てた。
 ときわ湯は、区画整理で前を通る道路が二車線となるため、廃業せざるを得ない。常連客からは「市長でも県知事にでも陳情に行くよ。ときわ湯を絶対残したい」と、存続を望む声も上がる。兼島さんは「銭湯が必要だと来てくれる人がいる限り続ける。体力が続くまでここで銭湯を続けたい」と笑顔を見せた。
 (大城幸多)

張り子ゆらゆら 川湯の温泉街(和歌山)

1月12日17時16分配信 紀伊民報

 田辺市本宮町の川湯温泉街で12日、温泉を守る十二薬師如来の例祭に合わせ、巨大な張り子10点がお目見えした。温泉街を流れる大塔川をまたいでつるされ、ゆらゆらと揺れる張り子が訪れる観光客らを楽しませている。2月中旬まで。
 温泉を守る十二薬師如来をまつる浄妙堂の例祭行事の一つで、「揚げ物」と呼ばれる張り子を供え物としている。江戸時代中期に浄妙堂が川の対岸から温泉街へ移されたため、十二薬師如来が山に里帰りできるよう、しめ縄を川に張り渡して供えている。
 張り子は毎年、川湯地区の旅館や住民らが出品している。竹で骨組みしたものに紙を張り、着色して完成させる。
 今年は、地元の本宮小学校の児童が張り子作りに挑戦し、テレビアニメのキャラクター「ピカチュウ」をテーマに全長約3メートルの作品を披露した。ほかにも、えとや農産物、ニシキゴイなど、色とりどりの作品がずらりと並んでいる。

客数微減、単価は増 白浜温泉08年の宿泊状況(和歌山)

1月12日17時16分配信 紀伊民報

 白浜町の白浜温泉旅館協同組合は12日までに、組合に加盟する26施設の2008年の宿泊状況をまとめた。宿泊人員は118万5880人、前年に比べ0・3%の減少となった。しかし、客1人当たりの宿泊単価は3・8%(約500円)増え、近年では最高の伸び率を示した。07年秋から高級魚のクエを食材に取り入れ、温泉街を挙げて売り込みに力を入れてきた効果とみられている。
 宿泊は1~6月と9月が最大10%減から前年並みとなった一方、7、8月と10~12月は前年並みから最大12%増と順調に推移し、累計で前年比4070人(0・3%)の減少にとどまった。
 組合の小竹幸理事長は「07年と06年がともに前年比約10%ずつ増えていたことや、昨年9月以降の大変な金融危機を考えると、微減にはなったがよく踏ん張ったといえる。パンダによる集客効果が大きかったので今春も期待している」と話す。
 「道路網の整備が進み日本海側や山口県方面といった、より遠方の団体客が獲得できるようになったこともプラス材料だった」と指摘する大手旅館もある。半面、大阪の泉南方面など近い所は日帰りが増えているといい、今年は団体旅行の新規獲得で競合の激化が予想されている。
 宿泊単価は07年の約1万3700円から約1万4200円になった。宿泊単価が3%台のアップを見せたのは直近では1996年(3・0%)だけ。以降は微減と横ばいを繰り返しながら下落傾向にあった。
 クエは鍋料理などに珍重されるが、漁獲が激減して量の確保が困難なため、特に大手宿泊施設では積極的にPRしにくかった。しかし、近畿大学水産研究所(白浜町)の協力で、一昨年秋に養殖クエの安定供給が受けられるようになり、昨秋からは組合加盟のほぼ全施設がメニューに組み入れた。
 ある旅館は「鍋のシーズンだけをみると2000円近く宿泊単価を上げることができ、効果は絶大。大事に育てていきたい食材だ」と話している。

連休最終日・浅間国際スケートセンターにぎわう

3連休最終日のきょう、各地でウインタースポーツを楽しむ親子連れなどでにぎわっています。

松本市の美鈴湖畔にある標高1000メートルの浅間温泉国際スケートセンターでは、スケート教室の生徒や家族連れなど、大勢の人たちが朝からスケートを楽しんでいます。

松本は氷点下の冷え込みでリンクは朝のうち細かい雪が舞っていましたが、子供たちは風を切って元気にリンクを滑っていました。

浅間温泉国際スケートセンターでは毎年1月からリンク閉鎖まで料金を無料にしてから、入場者は年々増えていて、今日も地元の中信地方のほか、上田市からも家族連れが訪れ、スケートを楽しんでいました。

今週から松本市内の小学校のスケート教室が本格化するということで、スケートセンターは来月上旬まで連日元気な小学生たちでにぎわいます。

[12日12時25分更新]

SBC

日帰り現地ツアー広がる 東北 規制緩和で地元組参入

1月12日6時12分配信 河北新報

 旅先の観光地周辺で集合、解散する「日帰り現地ツアー」が東北に広まってきた。2007年の旅行業法の規制緩和で、地元の旅行会社や観光協会がツアーに参入できるようになったためだ。名所旧跡がメーンの従来型旅行に対し、隠れた名所探訪や住民のガイド解説付きなど現地ならではの魅力を盛り込んだ「小さな旅」がセールスポイントになっている。

 盛岡観光コンベンション協会(盛岡市)は4―10月、市内を巡るバスツアー「盛旬(せいしゅん)バスプラン」を70回開催する。発案した畑山茂観光コンベンション部長(59)は「最高の盛岡の旬を楽しんでほしいと命名した」と売り込む。

 春は盛岡地裁にある石割桜、石川啄木記念館などの「定番」に米内浄水場のシダレザクラ、地元産クレソン使用のラーメン昼食を加える。料金は大人5800円、子ども3500円。夏以降も一般の観光客は行きにくい朝市や酒蔵見学を用意する。

 福島市のNPO「土湯温泉観光まちづくり協議会」は07年、地元ツアーをスタートさせた。「2泊3日の中日に、宿泊客に喜んでもらおうというのがきっかけ」と担当の加藤成良さん(49)。3000円前後の川魚のつかみ捕りや雪ぐつ体験が人気という。

 会津鉄道で東京と結ばれる福島県南会津町。南会津観光公社は、湿原や名所をタクシーで効率よく回れる割安な半日ツアーを実施している。料金は2000―1万円台だ。

 地元組は地域を知り尽くす強みとアイデアで魅力を発掘。大都市圏から訪れる旅行客の日程への組み合わせを狙うが、受けるかどうかは企画力が勝負になっている。

 山形県遊佐町のNPO「遊佐鳥海観光協会」は子どもの海山体験などで実績がある。帯谷隆専務理事(52)は「大都市圏からは交通費負担が大きい。ありきたりの自然や農村体験では人が来ない」と言う。鳥海山トレッキングや名水巡りなどのガイド育成を進める。

 仙台市の観光コンサルタント庄子公喜さん(59)は「地元の魅力を磨く機会としてはいいが、地元の人が良いと思っても、観光客が求めるものを理解して売り込まなければ集客には結び付かない」と話している。

【旅行業法の規制緩和】
 宿泊や移動を伴う旅行の企画・募集は登録業者しかできない。国内旅行の場合、従来は有資格者の選任と営業保証金1100万円、基準資産700万円が必要だったが、業者所在地と隣接市町村で完結する旅行に限り、それぞれ300万円に引き下げられた。

鬼太郎バス:出発進行 妖怪観光、買い物楽しんで 米子-境港できょうから /鳥取

1月11日16時0分配信 毎日新聞

 米子市の皆生温泉街と境港市を往復する1日1便の「鬼太郎バス」(27人乗り)の運行が11日に始まる。宿泊客が境港市で水産物の買い物や妖怪観光を気軽に楽しめるようにと皆生温泉旅館組合が3月23日まで日曜と月曜に運行する。今年で6年目。
 午前9時45分に皆生温泉街(市観光センター)を出発。同10時15分に境港市の水産物販売所着―同11時に水木しげるロード着―午後0時35分に米子空港着―同1時にJR米子駅着―同1時20分に皆生温泉街着のコース。空港や駅で降りることもできる。
 料金は大人800円、小学生400円、幼児無料。問い合わせは同組合(0859・34・2888)へ。【小松原弘人】